中小企業節税ラボ
税理士が積極的に教えてくれない合法な節税と補助金の実務を、実際にやっている経営者が計算機つきで見せる
中小企業節税ラボ › 勘定科目DB › 繰延資産償却
勘定科目DB|勘定科目

繰延資産償却とは

国税庁等の資料を確認した日 2026年10月29日|更新 2026年10月30日

繰延資産償却とは

繰延資産償却は、建物を借りるための権利金や立退料、公共的施設の負担金、開発負担金など、支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶ費用を、償却期間にわたって少しずつ費用にするための科目です。償却期間は支出の種類ごとに国税庁の資料で定められており、1年未満の端数は切り捨てます。償却費を損金に算入するときは、確定申告書に繰延資産の償却額の計算に関する明細書(別表16(6))を添付します。

区分:損益計算書の「販売費及び一般管理費」(会社計算規則第88条第1項第3号)

繰延資産償却の仕訳例

場面借方貸方金額の条件消費税区分
道路や護岸など公共的施設の設置のために支出した負担金の償却費を計上する※繰延資産償却繰延資産(公共的施設負担金)償却期間は、負担した法人が専らその施設を使用する場合はその施設の耐用年数の10分の7、それ以外の場合は耐用年数の10分の4。1年未満の端数は切り捨てる。不課税国税庁 No.6209一般則
団地の周辺住民との関係を調整する施設(緩衝緑地など)の開発負担金の償却費を計上する繰延資産償却繰延資産(開発負担金)償却期間は8年とされている。不課税国税庁 No.6209一般則
事業年度の途中で支出した権利金等の、最初の事業年度の償却費を計上する繰延資産償却繰延資産(権利金等)最初の事業年度の月数は、支出の日から事業年度末までの月数で数える。月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数は1か月とする。不課税国税庁 No.6209一般則

消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。

※は、国税庁の資料では確認できていない一般的な扱いです。自社の事情に当てはめる前に、税理士または税務署で確認してください。

繰延資産償却の消費税区分

既定の区分:不課税 繰延資産の償却費の計上は代金の支払いではないため、消費税の課税の対象になりません。元の支払いの区分は、支出したときに判断します。

税務上の注意

迷う取引の判定表

迷う取引判定の観点入れる科目
建物を借りるために支払った権利金・立退料支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶか繰延資産(償却費は繰延資産償却)
建物を借りるときに不動産業者へ払った仲介手数料不動産業者などに支払った手数料か支払った事業年度の損金(繰延資産にしない)
自己の必要で行う道路・堤防・護岸などの設置や改良の費用※効果が支出の日以後1年以上に及ぶか繰延資産(償却期間は耐用年数の10分の7または10分の4)
公共的施設の設置で土地の価格が上昇したために、土地所有者や借地権者が国や地方公共団体へ納付するもの※土地の価格上昇によって納付するものか土地の取得価額
団地内の道路・公園・公道との取付道路などの開発負担金直接土地の効用を形成する施設か土地の取得価額
上下水道・工業用水道の負担金施設自体が独立した効用を形成するか無形減価償却資産(水道施設利用権など。償却期間15年)
団地周辺の緩衝緑地・文教福祉施設などの負担金主に周辺住民との関係を調整する施設か繰延資産(償却期間8年)
借りている建物に行った造作の費用※造作した建物の耐用年数などをもとに見積もるか耐用年数で償却する資産(繰延資産償却とは別)

※は、国税庁の資料では確認できていない一般的な扱いです。自社の事情に当てはめる前に、税理士または税務署で確認してください。

繰延資産償却が関わる取引

関連する様式

根拠

判断が分かれるときは税理士に確認する

繰延資産償却は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。

税理士に相談する

※税理士紹介サービス(外部)へ移動します。当サイトは紹介料を受け取る場合があります(広告を含む)
掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
← 勘定科目DBのトップへ