勘定科目DB|勘定科目
投資有価証券とは
投資有価証券とは
株式や債券などの有価証券のうち、短期の売買を目的とせず、長く持つ目的のものを入れる科目です。期末に時価が大きく下がったときの評価損と、配当を受け取ったときの所得税額控除が、税務上の主な論点になります。有価証券の譲渡は、消費税では原則として非課税取引です。
区分:貸借対照表の資産の部「固定資産」(会社計算規則第74条第1項第2号)
投資有価証券の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 長期に持つ目的で株式を購入し、代金を預金から支払った※ | 投資有価証券 | 普通預金 | 株式の購入は、売る側の有価証券の譲渡(非課税)にあたり、買う側の課税仕入れにはなりません。 | 非課税国税庁 No.6245 |
| 期末に有価証券の価額が著しく下がり、損金経理で帳簿価額を減額した | 投資有価証券評価損 | 投資有価証券 | 帳簿価額と時価との差額などが限度。上場株式などでは、期末時価が帳簿価額のおおむね50パーセント相当額を下回り、近い将来の回復が見込まれないことが要件 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 保有株式の配当を受け取り、所得税等が源泉徴収されていた | 普通預金・仮払税金 | 受取配当金 | 所得税額控除を受ける場合の控除額は、配当等の元本の所有期間に対応する部分の額のみとなるものがある | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 保有株式を売却し、代金が預金に入金された | 普通預金 | 投資有価証券 | 帳簿価額と売却代金との差額は、売却損または売却益として別に処理する | 非課税国税庁 No.6245 |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
※は、国税庁の資料では確認できていない一般的な扱いです。自社の事情に当てはめる前に、税理士または税務署で確認してください。
投資有価証券の消費税区分
既定の区分:非課税 株式や国債などの有価証券の譲渡は、原則として消費税の非課税取引です。
税務上の注意
- 完全支配関係がある子会社で清算中の法人の株式などに計上する評価損は、損金に算入されません。 (根拠:有価証券の評価損が認められる場合(国税庁 No.5574・令和8年4月1日現在法令等))
- 株式の配当などは、所得税等の額のうち、元本の所有期間に対応する部分だけが所得税額控除の対象になります。控除を受けた所得税等の額は損金に算入されません。 (根拠:所得税額控除(国税庁 No.5760・令和8年4月1日現在法令等))
- 所得税額控除を受けた所得税等の額は、所得の金額の計算上、損金の額に算入されません。控除を受けなかった場合は損金に算入されます。 (根拠:所得税額控除(国税庁 No.5760・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 長期に持つ目的で株式を買った | 短期の売買を目的としていないか | 投資有価証券など |
| 短期の売買で利益を得る目的で株式を買った | 売買目的かどうか | 売買目的の有価証券など(投資有価証券とは分ける) |
| 期末に上場株式の時価が大きく下がった | 時価が帳簿価額のおおむね50パーセント相当額を下回り、近い将来の回復が見込まれないか。損金経理で減額したか | 要件を満たせば投資有価証券評価損など |
| 完全支配関係がある子会社で清算中の法人の株式に評価損を計上した | 損金算入の対象外となる場合に当たらないか | 会計上は評価損でも、税務上は損金に算入されない |
| 保有株式の配当を受け取り、所得税等が源泉徴収された | 所得税額控除を受けるか。控除を受けた額は損金にならない | 受取配当金。源泉徴収された額は仮払税金など |
| 保有株式を売却した | 譲渡は原則として非課税取引 | 投資有価証券を減らし、差額は売却損益 |
関連する様式
根拠
- 国税庁 No.6245 有価証券の先物取引(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5574 有価証券の評価損が認められる場合(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5760 所得税額控除(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 会社計算規則 第74条(資産の部の区分)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
判断が分かれるときは税理士に確認する
投資有価証券は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
※税理士紹介サービス(外部)へ移動します。当サイトは紹介料を受け取る場合があります(広告を含む)
掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
← 勘定科目DBのトップへ