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インボイス2割特例とは?計算方法・いつまで使えるかを徹底解説

中本 雄二 / 更新:2026-07-04
インボイス登録で課税事業者になったけれど、消費税をいくら納めればいいのか分からない。そんな不安を抱えているなら、まず「2割特例」を知ってほしい。売上にかかった消費税の2割だけ納めればいい制度で、多くの元・免税事業者にとって一番負担が軽くなる選択肢だ。
  • 2割特例とは、納める消費税を「売上にかかる消費税×20%」で計算できる負担軽減の仕組みです。
  • 2割特例が使えるのは、2026年9月30日を含む課税期間までです。
  • 2割特例に事前の届出は不要で、確定申告書に「適用を受ける」と書くだけで選べます。
  • 免税事業者からインボイス登録した人で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら対象になります。
  • 2割特例が終わった後は、個人事業主向けの3割特例や簡易課税への移行を早めに検討すべきです。

インボイス2割特例とは?消費税の負担を軽くする仕組みをわかりやすく解説

【インボイス2割特例】最大4回使えるって知ってる?
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2割特例とは、納める消費税を「売上にかかる消費税×20%」で計算できる、期間限定の負担軽減措置です。

私も自分の会社で消費税の計算をやってきたが、正直この制度は「よくぞ作ってくれた」と思う内容だった。仕入れや経費の集計をしなくても、売上の消費税だけ見れば納税額が出る。手間もお金も両方軽くなる。

2割特例の基本の考え方(納める消費税が売上税額の2割になる)

考え方はシンプルだ。お客さんから預かった消費税のうち、8割を控除できたものとみなし、残り2割だけ納める。

たとえば売上1,100万円(うち消費税100万円)なら、納税額は100万円×20%=20万円。仕入れの消費税をいちいち拾わなくていい。

2割特例は「預かった消費税の2割を納める」だけの制度。仕入れや経費の消費税を集計する必要がなく、事務負担が大幅に減ります。

2割特例が生まれた理由(免税事業者からインボイス登録した人への負担軽減)

もともと売上1,000万円以下の事業者は消費税を納めなくてよかった。それがインボイス制度で、登録して課税事業者になると急に納税義務が発生する。

この激変を和らげるために作られたのが2割特例だ。財務省の資料でも、免税事業者からインボイス発行事業者になった人の税負担・事務負担を軽減する趣旨だと説明されている。

本則課税・簡易課税との違いを整理

消費税の計算方法は主に3つ。ざっくり比べると次のとおりだ。

3つの消費税計算方法の違い
方式計算の考え方仕入れ集計の要否事前届出
本則課税売上の消費税−仕入れの消費税必要(実額を集計)不要
簡易課税売上の消費税−(売上の消費税×みなし仕入率)不要(業種で率が決まる)必要
2割特例売上の消費税×20%不要不要

私の感覚だと、経費が少ないサービス系の人ほど2割特例が効く。仕入れが多い商売なら本則課税のほうが得なこともある。ここは後で計算例を出す。

2割特例はいつまで使える?適用期間と対象の課税期間

2割特例が使えるのは、2023年10月1日から2026年9月30日までの日を含む課税期間までです。

「いつまで」を勘違いする人が多いので、ここは丁寧に説明する。日付で切れるのではなく、その日を含む課税期間の末日まで使えるのがポイントだ。

適用期限は2026年9月30日を含む課税期間まで

期限は2026年9月30日。ただし、この日を含む課税期間はまるごと対象になる。

法人と個人事業主で異なる課税期間の考え方

個人事業主の課税期間は暦年(1月〜12月)。だから2026年9月30日を含むのは2026年分で、2026年12月31日まで、つまり2026年分の確定申告まで使える。

法人は事業年度で区切る。3月決算なら、2026年9月30日を含むのは2026年10月1日〜2027年9月30日の期。この期の申告まで対象だ。決算月によって使える期間がズレる点は要注意。

個人事業主は2026年分(2027年3月申告)まで。法人は決算月によって最終の対象期がズレるため、自社の事業年度で確認してください。

インボイス登録のタイミングと適用開始時期の関係

2割特例は、インボイス登録によって免税事業者から課税事業者になった課税期間から使える。

逆に言えば、登録が遅れれば使える期間もその分短くなる。2026年で終わる制度なので、対象になりそうなら早めに登録して恩恵を取り切るのが現実的な判断だ。

2割特例を使える人・使えない人の要件を確認

2割特例の対象は、免税事業者からインボイス登録して課税事業者になった人で、かつ基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者です。

ここを外すと「使えると思っていたのに使えなかった」という事故が起きる。私も制度は自分で確かめる派だが、この要件は特に慎重に見たほうがいい。

対象になる事業者(免税事業者からインボイス登録し、基準期間の課税売上高1,000万円以下)

条件はこうだ。個人なら2年前、法人なら前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下。そしてインボイス登録がなければ免税事業者だったこと。

つまり「登録しなければ消費税を納めなくてよかったのに、登録したから納めることになった人」が救済対象という理解でいい。

使えないケース(課税事業者選択届出済み・売上超過・高額特定資産の取得など)

次に当てはまると2割特例は使えない。ここは落とし穴が多いので一覧にする。

2割特例が使えない主なケース
使えないケース理由・補足
基準期間の課税売上高が1,000万円超そもそも登録と関係なく課税事業者になるため対象外
課税事業者選択届出書を提出済みインボイス登録前から自分で課税事業者を選んでいた場合
調整対象固定資産・高額特定資産を取得高額資産の取得で強制的に本則課税が続く期間
課税期間を1か月・3か月に短縮している特例的な課税期間を選択している場合

特に「課税事業者選択届出書を出したまま」の人は要注意。この届出を出していると2割特例が使えないことがある。心当たりがあれば取下げの手続きも含めて確認したい。

届出は不要で申告時に意思表示する仕組み

2割特例に事前の届出はいらない。確定申告書に「2割特例の適用を受ける」と付記するだけでいい。

これは地味にありがたい。簡易課税のように「前もって届出を出し忘れて使えない」という事故が起きない。申告のたびに、その年だけ2割特例を選ぶか判断できる。

2割特例は届出不要。確定申告書に適用の旨を記載するだけで選べ、年ごとに使う・使わないを判断できます。

2割特例の計算方法と具体的な計算例

【超朗報】インボイス2割特例の廃止回避で個人事業主だけセーフ!新設『3割特例』の神改正を完全解説します。【消費税の節税対策】
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2割特例の計算方法は「売上にかかる消費税×20%」の一本で完結します。

言葉で書くと簡単だが、実際の数字を入れてみないとピンとこない。ここは競合記事でも薄い部分なので、私が業種別に手を動かして試算した。

計算式は「売上にかかる消費税×20%」

手順はこれだけ。①1年間の課税売上(税抜)に10%を掛けて売上の消費税を出す。②それに20%を掛ける。出た金額が納税額だ。

仕入れの消費税を一切見ない。だからレシートの山と格闘しなくていい。

業種別の計算シミュレーション(サービス業・小売業・製造業)

売上(税抜)1,000万円・消費税率10%で、2割特例と簡易課税を並べて試算した。簡易課税のみなし仕入率は業種区分に応じたものを使っている。

売上税抜1,000万円のときの納税額比較(筆者試算)
売上の消費税=100万円で計算。簡易課税は業種区分のみなし仕入率を適用した概算。
業種(区分)2割特例の納税額簡易課税の納税額有利なのは
サービス業(第5種・みなし50%)20万円50万円2割特例
小売業(第2種・みなし80%)20万円20万円ほぼ同額
製造業(第3種・みなし70%)20万円30万円2割特例

見てのとおり、多くの業種で2割特例が勝つか互角。特にサービス業は差が大きい。みなし仕入率が80%の小売業だけは簡易課税と同水準になる。

簡易課税・本則課税と比べた節税額のビフォーアフター

上のサービス業の例で言えば、簡易課税なら50万円のところ2割特例なら20万円。差額30万円が手元に残る。

正直、この差は無視できない。私なら経費の実額が売上の8割を超えるような特殊なケースを除き、対象期間中は2割特例を軸に考える。

経費(課税仕入れ)が売上の8割以上になる商売でなければ、2割特例が有利になりやすい。迷ったら簡易課税と両方で計算して比べてください。

自分はどの方式が得?2割特例・本則課税・簡易課税の有利判定

有利判定の結論は「経費が少ない人は2割特例、仕入れが多く消費税の還付が見込める人は本則課税」です。

どれを選ぶかで納税額が数十万円変わる。ここは慎重にいきたい人が一番知りたいところだと思う。

有利不利を見分けるための判定の流れ

私が使っている判断の順番はこうだ。

  1. 設備投資などで仕入れの消費税が売上の消費税を上回りそうなら、還付が受けられる本則課税を検討する。
  2. そうでなく経費が少ないなら、まず2割特例で計算する。
  3. 念のため簡易課税でも計算し、2割特例より安ければ簡易課税を検討する。
  4. 3つを比べて一番納税額が少ない方式を選ぶ。

還付が絡まないなら、多くの場合は2割特例に落ち着く。

簡易課税へ移行する場合の届出期限の特例

通常、簡易課税は使いたい課税期間が始まる前までに届出が必要だ。だが2割特例の適用を受けた事業者には特例がある。

2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に「簡易課税制度選択届出書」を出せば、その提出した課税期間から簡易課税を使える。事後に間に合わせられる、ありがたい救済だ。

2割特例終了後に免税事業者へ戻る選択肢と手続き

取引先が個人客中心などでインボイスを求められないなら、登録を取り消して免税事業者に戻る道もある。

その場合は「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める届出書」を提出する。ただし取引先が課税事業者ばかりだと、インボイスを出せず取引に響く。私なら、取引先の顔ぶれを確かめてから決める。

確定申告での記載方法と保存の実務対応

2割特例を使うときは、消費税の確定申告書に「税額控除に係る経過措置(2割特例)の適用を受ける」旨を記載します。

届出不要なぶん、申告書での意思表示が唯一の手続きになる。ここを書き忘れると特例が使えないので、実務では一番大事なポイントだ。

消費税申告書への具体的な記入のポイント

消費税申告書の付表や本表に、2割特例を適用する旨のチェック欄・記載欄がある。売上の消費税額を集計し、その20%を納付税額として算出する流れだ。

会計ソフトを使っているなら、設定で「2割特例」を選べば自動で申告書へ反映される。手書きに不安があるなら、この点だけでもソフト導入の価値がある。

帳簿・請求書の保存要件とインボイス発行の実務

2割特例は納税額の計算が楽になるだけで、インボイス発行事業者としての義務は残る。

取引先から求められたら適格請求書(インボイス)を交付し、その写しを保存する。売上の帳簿もきちんと付ける。仕入れ側の細かい消費税集計が不要なだけで、「請求書を出さなくていい」わけではない。

2割特例でも、インボイスの交付・写しの保存・売上帳簿の記録は必要です。楽になるのは仕入れの消費税集計だけと考えてください。

補助金など他制度との関係で気をつける点

補助金の入金は原則として消費税の課税売上ではないため、2割特例の売上税額の計算には含めないのが基本だ。

ただし補助金で買った設備の消費税は、本則課税なら控除・還付に関わる。2割特例だと仕入れの消費税を使わないので、その恩恵は取れない。大きな設備投資に補助金を絡める年だけは、本則課税との比較を忘れずに。

2割特例終了後の対応|3割特例など今から備える選択肢

【損する前に見て】インボイス制度で2割特例が使えなくなってしまう危険で複雑な届出書についてわかりやすくお話しします!
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中本 雄二

会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用

中小企業の経営者。自分の会社で節税と補助金を実践してきた。税理士に任せきりにせず、制度を自分で調べて使う派。失敗や払いすぎた経験もあるからこそ、現実的な打ち手を語れる。

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