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法人税申告書 別表の書き方|別表一・四・五を記入例つきで解説

中本 雄二 / 更新:2026-07-04
法人税の別表は種類が多くて、どれをどの順番で書けばいいのか分からない。私も最初の申告で、別表四と別表五の数字が合わずに何時間も悩みました。結論から言うと、別表は「決算書→別表四→別表一→別表五」の順で作れば迷いません。この記事では、その順番と数値付きの記入例、別表間の検算まで具体的にお見せします。
  • 別表は決算書を作ってから、別表四→別表一→別表五の順で書くと数字がつながる。
  • 別表四は会計上の利益から課税所得を計算する表で、加算・減算を書き込む。
  • 別表一は課税所得に税率をかけて法人税額を計算する表。
  • 中小企業は所得800万円以下の部分に軽減税率15%が適用される。
  • 別表四の所得と別表五の増減は必ず一致するので、そこで検算する。

法人税申告書(別表)とは?書き始める前に知っておく基礎知識

【超基礎】別表4の書き方をわかりやすく解説!法人税を簡単に
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法人税申告書の別表とは、法人税額を計算するための計算明細書で、別表一から別表十六までの様式に分かれています。

私が初めて自社の申告書を開いたとき、正直「これ全部書くのか」と身構えました。でも実際に使う別表は限られています。

別表とは何か・主要な別表の種類と役割

別表は、決算書の利益をもとに税金を計算するための「調整の記録」です。会計の利益と、税金を計算するための所得は、金額が違うことがある。その差を埋めるのが別表の役割です。

中小企業がよく使う主要な別表を表にまとめました。

中小企業がよく使う主要な別表と役割
別表名称(通称)主な役割
別表一各事業年度の所得に対する法人税額の計算法人税額・地方法人税額を計算する
別表四所得の金額の計算に関する明細書会計上の利益から課税所得を計算する
別表五(一)利益積立金額・資本金等の額の計算税務上の純資産を管理する
別表五(二)租税公課の納付状況等法人税や住民税の納付状況を記録する
別表七(一)欠損金の損金算入等繰越欠損金を管理する
別表十六減価償却資産の償却額の計算減価償却費を計算する

逆に言えば、赤字続きで株主も単純な会社なら、別表一・四・五・七だけで済むこともあります。

別表一・別表四・別表五の関係を図でつかむ

3つの別表はバラバラではなく、一本の線でつながっています。

  1. 別表四で、会計の利益を調整して課税所得を出す。
  2. その課税所得を別表一に持っていき、税率をかけて法人税額を計算する。
  3. 計算した税額を別表五(二)に記入し、税務上の純資産(別表五(一))と整合させる。

つまり別表四が入口、別表一が計算の心臓、別表五が出口です。この流れさえ頭に入れば、順番で迷いません。

作成に必要な書類・道具・前提条件

別表を書き始める前提は、決算が締まっていることです。ここが終わっていないと何も進みません。

  • 確定した決算書(貸借対照表・損益計算書)が手元にある。
  • 総勘定元帳など、金額の根拠をたどれる帳簿がある。
  • 前期の申告書一式(繰越欠損金や積立金の引き継ぎに使う)。
  • 国税庁の別表様式、または申告ソフト。
前期の別表七と別表五は必ず手元に用意してください。繰越欠損金や利益積立金の期首残高は、前期の数字をそのまま引き継ぐためです。

法人税申告書(別表)作成の全体手順と所要時間・難易度

別表作成は、決算書ができていれば7ステップで、慣れれば半日ほどで完成します。

難易度は、単純な会社なら中級、特殊な取引が多いと一気に上がります。私の実感では、赤字の初年度が一番ラクでした。

所要時間の目安と難易度

会社の状況別・別表作成の目安(筆者の実務経験による目安)
会社の状況使う主な別表所要時間の目安難易度
設立初年度・赤字別表一・四・五・七半日程度低〜中
黒字・単純な取引別表一・四・五・七・十六1日程度
黒字・特殊な取引が多い上記+別表六など複数数日

これはあくまで私自身が自社で作ってきた体感です。初めての年は倍かかると思っておくと安全です。

決算書作成から別表一までの7ステップ

  1. 当期の取引を記帳し、決算書を確定させる。
  2. 特定の株主等がいる場合は別表二を作成する。
  3. 必要に応じて別表六〜十六を作成する。
  4. 別表五(一)(二)の期首残高を前期から転記する。
  5. 別表四で加算・減算を書き、課税所得を計算する。
  6. 別表一で法人税額・地方法人税額を計算する。
  7. 計算した税額を別表五(二)に記入し、全体を整合させる。

順番は入れ替えないほうがいい。別表四の所得が出ないと別表一の税額が計算できず、税額が出ないと別表五が締まらないからです。

各ステップの「ここまでできれば正しい」確認ポイント

各ステップにゴールの目印を置くと、迷子になりません。

  • 決算書:当期純利益の額が確定していればOK。
  • 別表四:末尾の「所得金額」がマイナスかプラスで出ていればOK。
  • 別表一:課税所得に税率をかけた法人税額が算出できていればOK。
  • 別表五:期首+当期増減=期末が縦横で合っていればOK。

別表四の書き方【数値付き記入例】

別表四は、決算書の当期純利益に「税務上の加算・減算」を足し引きして、課税所得を計算する表です。

ここが別表作成の心臓部です。私が最初に覚えたのもこの表でした。

別表四で課税所得を計算する流れ

スタートは会計上の当期純利益、ゴールは課税所得。この間を加算と減算でつなぎます。

  1. 先頭に決算書の当期純利益(または損失)を書く。
  2. 損金にできない費用を「加算」する。
  3. 益金にしない収益や損金にできる項目を「減算」する。
  4. 加算と減算を反映した結果が「所得金額」になる。

加算・減算項目の具体的な記入例

仮に当期純利益が500万円、法人税等の損金不算入(住民税など)が80万円、交際費の損金不算入が20万円あるケースで書いてみます。

別表四の記入例(当期純利益500万円のケース)
区分金額説明
当期利益5,000,000円決算書の当期純利益をそのまま記入
加算:損金不算入の法人税等800,000円会計上費用でも税務では損金にできない
加算:交際費等の損金不算入200,000円限度超過分を加算
所得金額6,000,000円500万+80万+20万=600万

この600万円が、次の別表一に持っていく課税所得です。数字がここでつながります。

つまずきやすい点と対処法

正直、私が一番つまずいたのは「加算と減算のどちらに書くか」でした。

迷ったら「会計では費用/収益だが税務では認めない」ものは加算、「会計では計上したが税務では課税しない」ものは減算、と覚えると整理できます。

うまく所得が合わないときは、別表五(二)の納税充当金の動きと突き合わせてください。法人税等の加算漏れが原因のことが多い。

別表一の書き方【税額計算の記入例】

【法人税申告書】別表の種類や作成手順・書き方、提出方法を解説
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別表一は、別表四で出した課税所得に税率をかけて、納める法人税額と地方法人税額を計算する表です。

別表四が終わっていれば、ここは電卓仕事に近い。ただし税率の区分だけは注意が必要です。

別表一で法人税額・地方法人税額を計算する手順

  1. 別表四の所得金額を、別表一の「所得金額」欄に転記する。
  2. 所得に法人税率をかけて法人税額を計算する。
  3. そこから税額控除があれば差し引く。
  4. 法人税額をもとに地方法人税額を計算する。

中小企業の軽減税率・特例の反映方法

資本金1億円以下の中小企業は、所得のうち年800万円以下の部分に軽減税率15%が適用されます。800万円を超える部分は23.2%です。

先ほどの課税所得600万円なら、全額が800万円以下なので15%が適用されます。

課税所得600万円の法人税額計算例(中小企業・軽減税率適用)
区分計算税額
800万円以下の部分6,000,000円 × 15%900,000円
800万円超の部分0円 × 23.2%0円
法人税額合計-900,000円

軽減税率15%は租税特別措置による特例で、適用期限があります。申告の年に有効かどうかは国税庁の最新情報で確認してください。

書き終えた完了状態の確認

別表一に法人税額と地方法人税額の両方が記入され、差引確定税額が算出されていれば完了です。この状態になれば、納付書に書く金額が確定します。

別表五の書き方と別表間の数字の連動・検算方法

別表五は、税務上の純資産と租税公課の納付状況を管理し、別表四の所得と一致するかを検算するための表です。

ここで数字が合うと、申告書全体が正しいと確信できます。逆に合わないと、どこかにミスがある証拠です。

別表五への記入手順と税額の転記

  1. 別表五(一)に、前期末の利益積立金額を期首残高として転記する。
  2. 当期の所得や納税による増減を記入する。
  3. 別表五(二)に、法人税・地方法人税・住民税などの納付状況を書く。
  4. 別表一で計算した確定税額を別表五(二)の「当期発生税額」に記入する。

別表四と別表五の整合性チェック(検算)

検算の基本はシンプルです。別表四の留保所得と、別表五(一)の当期増減額が一致するか。ここがズレたら止まって見直します。

別表五(一)の「差引翌期首現在利益積立金額」の合計が、期首+当期の留保増減と一致していれば検算OK。合わないときは、まず法人税等の記入額を疑ってください。

私は毎年、この検算が合った瞬間だけホッとします。ここが合えば大きな間違いはまずない。

繰越欠損金(別表七)・減価償却(別表十六)の記載

別表七には、前期までの繰越欠損金を記入し、当期の所得と相殺します。中小企業は繰越期間10年、所得の全額まで控除できます。

別表十六には、建物や車両などの減価償却費を計算して記入します。会計上の償却費と税務上の限度額を突き合わせ、超えた分は別表四で加算します。

ケース別・別表の書き方の具体例

別表の書き方は、赤字か黒字か、修正申告かで記入の重点が変わります。

自社に近いケースを見れば、手を動かすイメージがつかめます。

設立初年度の赤字のケース

設立初年度で赤字なら、別表四の所得金額はマイナスになります。この欠損金を別表七に記録し、翌期以降に繰り越します。

仮に初年度の欠損が300万円なら、別表七に300万円を計上。法人税は0円ですが、住民税の均等割は所得に関係なくかかるので、そこだけ忘れないでください。

赤字でも申告は必要です。繰越欠損金は青色申告で申告書を出して初めて翌期に使えます。出さないと欠損金を捨てることになります。

設立2年目以降の黒字のケース

2年目で黒字が出たら、前期の繰越欠損金を別表七で当期所得と相殺できます。

当期所得が500万円、前期繰越欠損金が300万円あれば、相殺後の課税所得は200万円。この200万円に軽減税率をかけて税額を計算します。

繰越欠損金を使った黒字2年目の計算例
項目金額
当期所得金額5,000,000円
繰越欠損金の控除△3,000,000円
差引課税所得2,000,000円
法人税額(200万×15%)300,000円

修正申告・更正の請求を行う場合

申告後に誤りに気づいたら、税額が増える場合は修正申告、減る場合は更正の請求をします。どちらも別表を作り直します。

修正申告では、正しい所得で別表四・一を作り直し、当初申告との差額を追加で納めます。過少申告加算税や延滞税がつくことがあるので、気づいたら早く出すのが得です。

申告書以外の添付書類と地方税・電子申告の進め方

【保存版】法人税の別表のつながりを理由付き図解でわかりやすく簡単に解説
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法人税申告書には、勘定科目内訳明細書と法人事業概況説明書の添付が必要で、地方税の申告も別途行います。

別表だけ書いて終わりではありません。ここを忘れると申告が完結しません。

勘定科目内訳明細書・法人事業概況説明書の書き方

勘定科目内訳明細書は、売掛金や借入金などの中身を取引先ごとに書き出す書類です。決算書の残高と一致させます。

法人事業概況説明書は、事業内容や従業員数、月別の売上などを書く書類。税務署が会社の全体像をつかむために使います。

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中本 雄二

会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用

中小企業の経営者。自分の会社で節税と補助金を実践してきた。税理士に任せきりにせず、制度を自分で調べて使う派。失敗や払いすぎた経験もあるからこそ、現実的な打ち手を語れる。

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