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役員報酬変更の議事録|書き方・ひな形と注意点を徹底解説

若月
若月
会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用
2026-06-18
役員報酬変更の議事録|書き方・ひな形と注意点を徹底解説
役員報酬を変えるとき、議事録って本当に要るの?と迷っている経営者は多いはずです。結論を先に言います。要ります。会社法で株主総会(または取締役会)の決議が必要で、その証拠が議事録だからです。

私も自分の会社で役員報酬をいじったとき、ここを甘く見て税理士に冷や汗をかかされました。決議と議事録を残していないと、税務調査で損金算入を否認されるリスクがあります。

この記事で分かること。議事録が必要な理由、変更手続きの流れ、今すぐ使えるひな形、作成後の届出と社会保険、そして3か月ルールなど税務の落とし穴です。失敗事例も正直に書きます。

役員報酬変更の議事録とは?基本と必要な理由

【知らなきゃ損】会社設立時の役員報酬はこうやって決める!決め方や税制上のメリットを専門家が解説!
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役員報酬変更の議事録とは、報酬を決めた・変えたという会社の意思決定を文書で残したものです。会社法では、取締役の報酬等は定款に定めがないときは株主総会の決議で定めます。

役員報酬変更の議事録とは?基本と必要な理由

役員報酬と従業員給与の違い

従業員の給与は労働の対価で、いつ上げても会社の費用(損金)になります。役員報酬は違います。経営者が自分で決められるぶん、税務上のルールが厳しい。

具体的には、定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与のいずれかに当てはまらないと、原則として損金にできません。ここが従業員給与との決定的な差です。

議事録が必要になる場面

報酬を新しく決めるとき。増額するとき。減額するとき。無報酬にするとき。いずれも株主総会(または取締役会)で決議し、その内容を議事録に残します。

実務では、株主総会議事録に「総額(枠)」「対象者」「適用開始時期」を書き、個別の配分は取締役会議事録で決める運用がよく使われます。

「前年度と同じだから決議不要」は誤り

正直、これは私も最初に勘違いしていました。「金額を変えないなら何もしなくていい」というのは法的根拠がありません。

会社法は毎期の報酬を当然に継続させる仕組みではない。同額で据え置く場合でも、その旨を決議して議事録に残すのが安全です。後述する税務調査対策にもなります。

役員報酬の変更に必要な手続きの流れ

流れはシンプルです。株主総会で決議し、議事録を作って保管し、必要な届出を出す。この3ステップ。増額・減額どちらもまず株主総会での承認が基本です。

役員報酬の変更に必要な手続きの流れ

株主総会で決議する(原則)

原則は株主総会の決議です。会社法では、定款に定めがなければ報酬等は株主総会で定めます。総額(枠)だけを決め、役員ごとの金額は取締役会または代表取締役に一任する運用も認められています。

一任する場合は、その旨を議事録に明記しておくこと。あとで「誰がいくら決めたのか」が分からなくなると、税務調査で説明できません。

取締役会で決議できるケース

株主総会で総額の枠を決議済みなら、その枠内での個別配分は取締役会で決められます。枠の範囲を超えなければ、毎回株主総会を開き直す必要はありません。

つまり「枠は株主総会、配分は取締役会」。この二段構えを理解しておくと、毎年の手続きがぐっと楽になります。

1人会社・同族会社の場合

株主も役員も自分1人。そんな会社でも議事録は要ります。手間に見えても、これがあなたを守る盾になる。

1人会社では株主総会も自分1人ですが、「株主総会議事録」という形式で決議内容を残します。同族会社はとくに税務署の目が厳しいので、ここは手を抜かないほうがいい。

定款で定める場合と株主総会で定める場合の違い

報酬は定款で直接定めることもできます。ただ、定款に金額を書くと変更のたびに定款変更が必要になり、手続きが重くなる。

定款で定める場合と株主総会で定める場合の比較
項目定款で定める株主総会で定める
変更時の手続き定款変更(特別決議)が必要で重い株主総会の決議だけで対応できる
柔軟性低い高い
実務での採用少ない多い(総額のみ定める運用)

私のおすすめは、定款には書かず、株主総会で総額枠を定める方式。実務でいちばん使われていて、変更時にも動きやすいからです。

役員報酬変更の議事録の書き方とひな形

ここが一番知りたいところでしょう。議事録は形式より中身です。「変更を承認」とだけ書くのはNG。具体的な金額と日付を書きます。

役員報酬変更の議事録の書き方とひな形

記載必須事項

議事録に最低限残すべきはこの項目です。変更前後の金額・理由・適用開始日の整合が命。

役員報酬変更の議事録に書くべき必須項目
項目内容の例
開催日(決議日)令和○年○月○日
開催場所当社本店会議室
出席者株主・役員の氏名と出席状況
議案役員報酬変更の件
変更前の金額代表取締役 月額○○円
変更後の金額代表取締役 月額○○円
変更理由業績の状況、職務内容の変更など
適用開始時期令和○年○月支給分から
議事録作成者・署名押印議長・出席役員

とくに「決議日」「報酬額」「支給開始時期」の3つは、給与台帳と一致していること。ここがズレると定期同額給与として説明できなくなります。

変更する場合のひな形

骨組みはこうです。表題「臨時株主総会議事録」。本文に決議日、出席状況、議案、可決内容を書く。

第1号議案 役員報酬改定の件 議長は、代表取締役の報酬を月額○○円から月額○○円に変更したい旨を提案し、その理由として業績の状況を説明した。審議の結果、令和○年○月支給分より上記のとおり改定することを全員一致で可決した。

このひな形のWord版は、税理士事務所などが無料配布しています。下のサンプルが分かりやすいので参考にしてください。

変更しない場合・1人会社のひな形

据え置く場合も一行残します。「代表取締役の報酬を前事業年度と同額の月額○○円とすることを承認した」。これだけで証拠になります。

1人会社なら、出席者は自分1人。「議長兼出席株主」として署名し、決議内容を同じ形式で書けば十分です。形式が整っていれば1人でも有効です。

株主総会議事録と取締役会議事録・決定書の使い分け

3つの書類は役割が違います。混同すると配分が不明になり、税務で突っ込まれます。

議事録・決定書の使い分け
書類使う場面主な内容
株主総会議事録報酬の総額(枠)・対象者・適用時期を決める総額○○円以内、適用開始月など
取締役会議事録枠内で役員ごとの金額を配分する各役員の月額の内訳
取締役の決定書取締役会非設置会社で代表者が個別決定する一任を受けた配分内容

取締役会を置いていない中小企業は多い。その場合は「取締役の決定書」で配分を残します。私の会社も取締役会なしなので、株主総会議事録+決定書の組み合わせです。

議事録作成後に必要な届出と社会保険の手続き

役員報酬が月100万円てどうですか?
役員報酬が月100万円てどうですか?

議事録を作って終わり、ではありません。報酬の額が変われば、社会保険の手続きが連動します。ここを忘れる人が本当に多い。

議事録作成後に必要な届出と社会保険の手続き

税務署への届出書類と提出期限

定期同額給与だけを月額で変える場合、税務署への特別な届出は原則不要です。議事録と給与台帳を整えておけば足ります。

一方、役員賞与のように事前確定届出給与を使うなら、所定の届出書を期限内に税務署へ提出しないと損金になりません。賞与を出すなら届出は必須、と覚えてください。

社会保険(標準報酬月額)の改定との連動

報酬を変えると、社会保険の標準報酬月額が変わる可能性があります。固定的賃金が大きく動いたときは、年金事務所への手続きが必要になります。

正直、私はここを見落として、後から保険料の精算で慌てました。報酬変更とセットで社会保険も確認する。これを習慣にしてください。

年金事務所・自治体への手続き

標準報酬月額が変わる場合は、年金事務所へ月額変更届を出します。住民税は給与支払報告に連動して自治体側で処理されるため、毎月の特別徴収を続けていれば追加の届出は基本不要です。

具体的な提出要否は会社の状況で変わります。判断に迷うなら、年金事務所か顧問の社労士に確認するのが確実です。

電子データで作成・保管する場合の対応

議事録はPDFなど電子データで作成・保管しても構いません。検索性が上がるので、私はクラウドに年度別フォルダで保存しています。

ただし、原本性を保つために作成日・改ざん防止の運用を決めておくこと。紙の署名押印版をスキャンして保管する方法でも十分実務は回ります。

役員報酬を変更する際の税務上の注意点

ここを間違えると、せっかくの報酬が損金にならず、法人税が増えます。私が一番神経を使うパートです。

役員報酬を変更する際の税務上の注意点

3か月ルールと定期同額給与の損金算入要件

定期同額給与は、支給時期が1か月以下の一定期間ごとで、各支給額が同額であることが要件です。毎月同じ額、が原則。

そして変更は、事業年度開始日から3か月以内に決議するのが実務の目安です。これがいわゆる3か月ルール。期首から3か月を過ぎてから増額すると、原則として損金算入で不利になります。

年度途中変更・遡及増額・段階的変更の扱い

年度途中の増額は基本NGです。3か月ルールを過ぎた増額分は、定期同額として認められず損金から外れることがあります。

遡及増額は完全にアウト。「4月に遡って上げる」と過去分をまとめて払うやり方は否認の典型です。段階的に少しずつ上げる手法も、期首改定の枠を外れると同じ扱いになります。

減額・無報酬とする場合の手続きと業績悪化改定事由

ここは競合記事が薄いので厚めに書きます。減額は増額より柔軟ですが、無条件ではありません。

期中の減額が定期同額として認められる主なケースは「経営状況の著しい悪化(業績悪化改定事由)」です。たとえば資金繰りが行き詰まり、取引先や金融機関との関係で役員報酬を下げざるを得ない、といった客観的な事情があるとき。

単に利益が思ったより出なかった、という程度では認められにくい。減額・無報酬にするなら、その必要性と経緯を議事録に具体的に書き残してください。理由が後から説明できるかどうかが分かれ目です。

不相当に高額な部分の損金不算入リスク

報酬は高くしても定期同額なら全部損金、ではありません。職務内容や会社規模に比べて不相当に高額な部分は損金にできません。

同業同規模の水準、職務の内容、会社の収益。この辺りから適正額が判断されます。同族会社で自分の報酬を急に倍にする、みたいな動きは目を付けられやすい。私は同業の相場を意識して決めています。

役員報酬を変更しない場合でも議事録を残すべき理由

金額を変えない年も議事録を作る。面倒に感じるでしょうが、これは数千円のコストで数十万円の否認リスクを消す保険です。

役員報酬を変更しない場合でも議事録を残すべき理由

税務調査への対策になる

税務調査でまず確認されるのが、報酬の決議と議事録です。決議日・報酬額・支給開始月が議事録と給与台帳で一致しているか。ここが整っていれば、調査官との押し問答にならずに済みます。

定期同額給与の要件を満たす証明になる

「期首から同額で支給しています」という事実を、議事録が裏づけます。口頭では証明できません。文書があるからこそ、定期同額給与として損金算入できると主張できます。

会社のガバナンスの証明と保管義務(10年)

株主総会議事録は、法律上の保管義務がある書類です。本店で長期保管するのが原則で、株主や債権者から閲覧を求められることもあります。

「前年と同じだから決議不要」という法的根拠は存在しません。据え置きでも一行残す。これだけで会社の意思決定が筋の通ったものになります。

税務調査で否認された失敗事例と回避のポイント

<第198回>マイクロ法人!役員給与の決め方!議事録作成方法!
<第198回>マイクロ法人!役員給与の決め方!議事録作成方法!

ここは実務で見聞きした典型パターンを正直に書きます。どれも「議事録さえ整えていれば防げた」ものばかりです。

税務調査で否認された失敗事例と回避のポイント

遡及増額が否認されたケース

期の途中で「4月分に遡って増額」と決議し、過去数か月分をまとめて支給。これが定期同額の要件を外れ、増額分が損金不算入とされた。よくある失敗です。

回避策はシンプル。改定は期首から3か月以内に決め、遡及はしない。決めた月から先に向かって同額で払う。

親族経営・同族会社で問題になったケース

奥さんを役員にして高めの報酬を払うパターン。実態として職務がないのに高額だと、不相当に高額な部分として否認されやすい。

防ぐには、その役員が実際に何をしているかを示せること。職務内容を議事録や業務記録に残し、金額の根拠を説明できるようにしておく。同族会社ほどここを丁寧に。

非常勤役員・使用人兼務役員での注意点

非常勤役員は勤務実態が薄いぶん、報酬額の妥当性を問われやすい。出席状況や関与の度合いを記録しておくと安心です。

使用人兼務役員は、給与部分と役員報酬部分の区分がポイント。賞与を出すなら、使用人分か役員分かをはっきりさせる。ここが曖昧だと、役員賞与とみなされ損金否認につながります。

よくある質問(FAQ)

よくある質問

議事録 役員報酬とは何ですか?
役員報酬を決めた・変えたという会社の意思決定を文書に残したものです。会社法では報酬は定款か株主総会の決議で定め、その証拠として議事録を作ります。変更前後の金額・理由・適用開始日を書くのが基本です。
議事録の作成に費用はかかりますか?
自社で作れば実質的な費用はかかりません。無料のひな形(Word)も配布されています。税理士や司法書士に作成・チェックを依頼すると報酬が発生しますが、否認リスクを考えれば安い保険です。
役員報酬変更の議事録はどう始めればよいですか?
まず株主総会(または取締役会)で決議し、その内容を議事録に残します。総額枠は株主総会、個別配分は取締役会か決定書で。変更は事業年度開始から3か月以内に決めるのが税務上の目安です。
報酬を変えない年も議事録は要りますか?
残すべきです。「前年と同じだから決議不要」という法的根拠はありません。据え置きでも一行決議を残せば、定期同額給与の証明と税務調査対策になります。
期の途中で役員報酬を減額できますか?
経営状況の著しい悪化(業績悪化改定事由)など客観的な事情があれば、期中の減額も定期同額として認められます。理由と経緯を議事録に具体的に書き残すことが重要です。

最後に私からひとつ。議事録は「作る」より「整合させる」が肝です。決議日・金額・支給開始月を給与台帳と一致させる。今期の据え置き決議、今日のうちに一枚作っておきましょう。

よくある質問(FAQ)
若月

若月

会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用
実在の経営者(匿名化)。実務でやった節税・補助金の話を、建前でなく本音で書く。「税理士が積極的に教えてくれないこと」も率直に。

中小企業の経営者。自分の会社で節税と補助金を実践してきた。税理士に任せきりにせず、制度を自分で調べて使う派。失敗や払いすぎた経験もあるからこそ、現実的な打ち手を語れる。