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法人節税(総論・柱)

税金対策で買うもの個人向け一覧|会社員も使える節税12選と選び方

若月
若月
会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用
2026-06-16
「税金を減らすために何か買ったほうがいいのか」「ふるさと納税やNISA、iDeCoは結局どれが自分に効くのか」と迷っている個人の方へ。結論から言うと、会社員でも使える節税の柱は、所得控除(iDeCo・生命保険料控除・小規模企業共済など)、税額控除(住宅ローン控除・ふるさと納税)、非課税投資(NISA)の3つです。この記事では、自分の年収や働き方に合った制度の選び方、上限額や控除額の試算、申し込みから確定申告までの手順、そして決算前の無駄遣いを避ける注意点まで整理します。読み終えるころには「自分はどれから手をつけるか」が決められます。
画像(準備中):個人ができる税金対策で買うものの一覧イメージ

税金対策で買うものとは?個人ができる節税の基本

「税金対策で買うもの」と聞くと高級品や事業用の物を思い浮かべがちですが、個人(特に会社員)の節税は、物そのものより「制度への加入・拠出」が中心です。掛金を払うと所得控除になるiDeCoや小規模企業共済、寄付すると税額が控除されるふるさと納税、利益が非課税になるNISAなどが代表例です。

まず前提として、所得税は「所得(もうけ)に税率をかけて」計算します。国税庁の所得税の速算表では、課税される所得金額が増えるほど税率が上がる超過累進課税が採用されており、控除で課税所得を下げるほど税負担は軽くなります。

なぜ「買うもの」で税金が減るのか(所得控除・税額控除・経費の仕組み)

税金が減る仕組みは大きく3つに分かれます。1つ目は「所得控除」で、課税所得そのものを小さくする方法。2つ目は「税額控除」で、計算後の税額から直接差し引く方法。3つ目は事業者だけが使える「経費(必要経費)」で、収入から差し引いて所得を圧縮する方法です。

国税庁によると、税額から直接差し引く税額控除のほうが、同じ金額でも減税のインパクトは大きくなります。所得控除は「控除額×税率」分しか減らないのに対し、税額控除は控除額がそのまま税金の減少額になるためです。

3つの節税の仕組みの違い
仕組み減らす場所減税の大きさ主な対象者
所得控除課税所得を小さくする控除額×税率の分だけ減る会社員・個人事業主など全員
税額控除計算後の税額から直接引く控除額がそのまま減る住宅ローン利用者・寄付した人など
経費収入から差し引く経費額×税率の分だけ減る個人事業主・フリーランス

個人の節税の3つの軸:所得控除を活用する方法

所得控除は会社員でも使える節税の主力です。代表的なのは小規模企業共済等掛金控除(iDeCo・小規模企業共済)、生命保険料控除、医療費控除、寄付金控除(ふるさと納税)です。掛金や支払いの全額または一部が所得から差し引かれます。

国税庁の一覧では、iDeCoや小規模企業共済の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除の対象になります。掛けた額が丸ごと課税所得から引かれるため、所得控除の中でも効率が高い部類です。

税額控除を活用する方法

税額控除は、計算した税金から直接差し引けるため、節税効果がそのまま金額に反映されます。個人が使う代表例は住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)と、ふるさと納税の控除のうち税額から引かれる部分です。

国税庁によると、住宅ローン控除は年末のローン残高に一定の控除率をかけた額を、原則としてその年の所得税額から差し引く仕組みです。引ききれない分は翌年度の住民税から一定額を限度に控除されます。

個人事業主・フリーランスの場合の経費(損金)活用

個人事業主やフリーランスは、控除に加えて「必要経費」を使えるのが会社員との大きな違いです。事業に使うパソコン・機械・オフィス家具などは経費として収入から差し引けます。ただし、家事(プライベート)と兼用する場合は事業使用分だけを按分して計上します。

国税庁は、業務のために通常必要な支出を必要経費とし、家事関連費は業務遂行上必要な部分を明らかに区分できる場合に経費にできると示しています。プライベートの買い物を経費にすることはできません。

【一覧】個人の税金対策で買うもの・入るべき制度

個人が使える主な節税手段を、誰が使えるか・どの仕組みで効くかで整理します。会社員でも使えるものが多く、個人事業主はさらに共済や経費が加わります。各制度の詳細は後の見出しで解説します。

個人の主な節税手段一覧
手段主な対象効く仕組みポイント
ふるさと納税会社員・個人事業主寄付金控除(所得控除+税額控除)実質負担2,000円で返礼品を受け取れる
NISA・新NISA誰でも運用益が非課税所得控除はないが利益に税金がかからない
iDeCo会社員・自営業など掛金が全額所得控除原則60歳まで引き出せない
生命保険誰でも生命保険料控除(所得控除)控除には上限がある
住宅ローン控除住宅購入者税額控除年末残高に応じて税額から直接控除
医療費控除誰でも所得控除年間の医療費が一定額を超えた分
小規模企業共済個人事業主・フリーランス掛金が全額所得控除退職金代わりに積み立てられる
経営セーフティ共済個人事業主・法人掛金が経費(必要経費)取引先倒産に備える掛金を損金算入

ふるさと納税:上限額の調べ方と返礼品で得する活用法

ふるさと納税は、自治体への寄付額のうち自己負担2,000円を超える部分が、所得税と住民税から控除される制度です。実質2,000円の負担で各地の返礼品を受け取れるため、上限内で使えば多くの人にとって損が出にくい仕組みです。

総務省は、控除を受けられる寄付額には収入や家族構成に応じた上限(限度額)があり、上限を超えた分は自己負担になると説明しています。まず自分の上限額を、ふるさと納税ポータルサイトのシミュレーションや源泉徴収票で確認してから寄付額を決めます。

会社員で寄付先が年間5自治体以内なら、確定申告なしで控除を受けられるワンストップ特例制度が使えます。6自治体以上に寄付した場合や、もともと確定申告をする人は確定申告で寄付金控除を申告します。

NISA・新NISA:投資による非課税メリットの使い方

NISAは、株式や投資信託の運用益(値上がり益・配当)にかかる税金が非課税になる制度です。通常は利益に約20%の税金がかかりますが、NISA口座での利益にはこれがかかりません。掛金の所得控除はありませんが、運用益に税金がかからない点が節税につながります。

金融庁によると、2024年から始まった新しいNISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、年間の投資上限と非課税で保有できる総額が大きく拡充され、非課税保有期間が無期限になりました。

iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除になる仕組み

iDeCoは、自分で積み立てて運用する私的年金です。掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除になり、運用益も非課税、受け取り時にも退職所得控除や公的年金等控除が使えます。掛金を出すたびに毎年の所得税・住民税が軽くなるのが大きな利点です。

iDeCo公式サイトは、原則60歳まで資産を引き出せないこと、加入区分(会社員・自営業など)ごとに拠出できる掛金の上限が異なることを示しています。老後資金として割り切れる余裕資金で始めるのが基本です。

生命保険:生命保険料控除で減らせる税金の目安

生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払うと、生命保険料控除として所得から一定額を差し引けます。保障を確保しながら税負担を減らせますが、控除には上限があるため、控除目的だけで過大な保険に入るのは合理的ではありません。

国税庁は、平成24年1月1日以後に契約した新制度では、生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の各区分について所得税で最高4万円、合計で最高12万円の控除が受けられると示しています。

住宅ローン控除:住宅購入と節税の関係

住宅ローンを使ってマイホームを購入・新築・増改築すると、一定の要件を満たせば住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けられます。年末のローン残高に応じた額を所得税から直接差し引けるため、税額控除の中でも金額の大きい制度です。

前述の国税庁の住宅借入金等特別控除のページによると、控除を受けるには住宅の床面積や入居時期などの要件があり、初年度は確定申告が必要です。会社員は2年目以降、年末調整で控除を受けられます。

医療費控除・セルフメディケーション税制:買った薬・治療と節税

1年間に支払った医療費が一定額を超えると、超えた分を医療費控除として所得から差し引けます。通院・入院・治療のための費用に加え、対象となる医薬品の購入費も含められます。家族分をまとめて合算できるのも特徴です。

国税庁によると、医療費控除は原則として年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5%)を超えた部分が対象です。市販薬の購入が中心の場合は、医療費控除との選択でセルフメディケーション税制を使う方法もあります。

小規模企業共済(個人事業主・フリーランス向け)

小規模企業共済は、個人事業主やフリーランス、小規模企業の経営者が、廃業や退職に備えて積み立てる制度です。掛金は全額所得控除になり、将来は退職金のように受け取れるため、会社員の退職金制度がない自営業者の備えとして使えます。

運営する中小機構によると、掛金は月額1,000円から7万円まで500円単位で設定でき、その全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になります。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先が倒産したときに資金を借りられる制度です。個人事業主の場合、支払った掛金を必要経費に算入できるため、事業所得の節税に使えます。

中小機構は、掛金月額は5,000円から20万円まで設定でき、掛金総額が800万円になるまで積み立てられること、解約手当金は一定期間の納付で受け取れることを示しています。なお、令和6年10月以降に解約した場合の再加入には掛金の損金算入に関する取り扱いの変更があるため、最新の要件を確認してから利用します。

パソコン・機械設備・オフィス家具など事業用の物品

個人事業主・フリーランスは、事業に使うパソコンや機械、オフィス家具などを経費にできます。取得価額が10万円未満なら原則その年の経費、一定額以上は減価償却で複数年に分けて計上するのが基本です。

国税庁は、青色申告者が一定の要件を満たす場合、取得価額30万円未満の減価償却資産を一定の限度まで一括で必要経費にできる「少額減価償却資産の特例」を設けています。買う前に取得価額と適用条件を確認します。

事業用自動車(社用車)は個人の節税になるのか

事業に使う自動車は、購入費を減価償却で経費にでき、燃料費・保険料・車検費用なども事業使用分を経費にできます。ただし、節税になるのはあくまで事業で使う部分だけで、プライベート利用分は経費にできません。

国税庁は、減価償却資産には法定耐用年数が定められており、車両は構造や用途ごとに償却期間が決まっていると示しています。プライベート兼用の場合は走行距離などで合理的に事業按分する必要があります。

属性別おすすめ:会社員・公務員・個人事業主・フリーランスの選び方

使える制度は働き方によって変わります。会社員・公務員は控除と非課税投資が中心、個人事業主・フリーランスはこれに経費と共済が加わります。自分の属性で何が使えるかを先に確認すると、無駄なく選べます。

属性別に使いやすい節税手段
属性特に相性が良い手段補足
会社員ふるさと納税・NISA・iDeCo・住宅ローン控除年末調整+一部は確定申告で完結
公務員ふるさと納税・NISA・iDeCoiDeCoは掛金上限が会社員と異なるため要確認
個人事業主小規模企業共済・経営セーフティ共済・経費・iDeCo退職金代わりの積立と経費を併用
フリーランス小規模企業共済・NISA・iDeCo・ふるさと納税所得控除を厚くしつつ非課税投資を併用

iDeCoの掛金上限は加入区分で異なるため、公務員や企業年金のある会社員は前述のiDeCo公式サイトで自分の上限を確認してから申し込みます。

年収・所得階層別に見る有効な節税商品の考え方

所得税は超過累進課税のため、課税所得が高い人ほど所得控除1万円あたりの減税額が大きくなります。前述の国税庁の所得税の税率に基づくと、課税所得が高い人ほどiDeCoや小規模企業共済など「全額所得控除」の効きが大きく、税率が低い層は非課税投資のNISAやふるさと納税の使い勝手が良いという整理ができます。

具体的な限度額や税率区分は人によって異なるため、ここでは数値を断定せず、まず源泉徴収票で自分の課税所得と適用税率を把握することを出発点にします。

各制度の最低拠出額・初期コスト・流動性(換金しやすさ)の比較

節税効果が高くても、すぐに引き出せないお金は生活を圧迫します。手元資金とのバランスを見るために、最低額・引き出しやすさを比べて選びます。下表の金額は各運営機関の公式情報に基づくものです。

主な制度の拠出額と流動性
制度拠出額の目安換金・引き出し
小規模企業共済月1,000円〜7万円(500円単位)共済事由・解約で受取(解約は条件あり)
経営セーフティ共済月5,000円〜20万円(総額800万円まで)一定期間納付で解約手当金
iDeCo加入区分ごとの上限内原則60歳まで引き出せない
NISA金融機関の最低額から(少額可)いつでも売却・引き出し可能
ふるさと納税寄付先により異なる(2,000円超が控除対象)返礼品で受け取り(換金は不可)

換金性で見ると、NISAはいつでも売却できる一方、iDeCoは原則60歳まで引き出せません。生活防衛資金を確保したうえで拠出額を決めます。

節税額の試算例:年間いくら税金が減るか

所得控除による減税額は「控除額×(所得税率+住民税率)」でおおよそ把握できます。住民税の所得割は標準で10%です。たとえば全額所得控除のiDeCoに年24万円拠出し、所得税率が10%の人なら、所得税で約2.4万円、住民税で約2.4万円の合計約4.8万円が減る計算になります(復興特別所得税を考慮しない概算)。

税率区分は人によって異なるため、正確な金額は自分の課税所得と前述の国税庁の税率表で確認してください。住民税の標準税率は総務省の説明に基づきます。

制度の併用可否と組み合わせで節税を最大化する手順

これらの制度は基本的に併用できます。所要時間は初回でおよそ1〜2週間(口座開設や書類取り寄せを含む)、難易度は中程度です。必要なものは源泉徴収票(または確定申告書類)、本人確認書類、金融機関の口座です。

次の手順で進めます。1. 源泉徴収票で課税所得と適用税率を確認する(ここで自分の税率が分かればOK)。2. ふるさと納税の上限額をシミュレーションで調べる(上限額が表示されれば次へ)。3. 老後資金として割ける額でiDeCoの掛金を決める(拠出後も生活費が回るなら適正)。4. 余裕資金でNISAの積立額を設定する。5. 住宅ローンや医療費があれば控除対象になるか確認する。6. 確定申告またはワンストップ特例・年末調整で申告する(控除が反映された通知が届けば完了)。

うまくいかないときは、優先順位を「税額控除(住宅ローン控除)→全額所得控除(iDeCo・小規模企業共済)→ふるさと納税→NISA」の順で見直すと、減税効果の大きいものから埋められます。

画像(準備中):源泉徴収票を確認しながら節税商品を申し込む手順のイメージ

贈与・相続を見据えた長期的な節税商品の選び方

目先の所得税だけでなく、将来の贈与・相続まで見据えると選び方が変わります。生命保険には死亡保険金の非課税枠があり、相続対策として使われます。国税庁は、相続人が受け取る死亡保険金について「500万円×法定相続人の数」までを非課税とすると示しています。

長期では、引き出し時期を選べるかどうかも重要です。iDeCoや共済は受け取り時の課税まで含めて設計し、流動性の高いNISAと役割分担させると、ライフイベントに合わせやすくなります。

税金対策で買うものを選ぶ手順(所要時間・難易度・必要なもの)

全体の所要時間は、調べる段階で30分〜1時間、口座開設や書類取り寄せを含めると初回1〜2週間が目安です。難易度は、ふるさと納税・NISAが易しく、iDeCo・各種共済はやや手間がかかります。必要なものは前述のとおり源泉徴収票・本人確認書類・口座です。

若月

若月

会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用
実在の経営者(匿名化)。実務でやった節税・補助金の話を、建前でなく本音で書く。「税理士が積極的に教えてくれないこと」も率直に。

中小企業の経営者。自分の会社で節税と補助金を実践してきた。税理士に任せきりにせず、制度を自分で調べて使う派。失敗や払いすぎた経験もあるからこそ、現実的な打ち手を語れる。