勘定科目DB|勘定科目
貸付金とは
貸付金とは
従業員や取引先などに金銭を貸し付けたときの、返してもらう権利(債権)を入れる科目です。貸し付けた元本を入れ、受け取る利息は受取利息など別の科目で処理します。貸付金は、国税庁の資料で貸倒引当金の計算の対象となる金銭債権として挙げられています。
区分:貸借対照表の資産の部「流動資産」(会社計算規則第74条第1項第1号)(返済期限が1年を超えるものは固定資産)
貸付金の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 従業員や取引先に金銭を貸し付けた | 貸付金 | 現金預金 | - | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 貸付金の利息を受け取った | 現金預金 | 受取利息 | - | 非課税国税庁 No.6201 |
| 決算で、貸付金の利息のうち受け取っていない分を計上した | 未収利息 | 受取利息 | - | 非課税国税庁 No.6201 |
| 貸付金の返済を受けた | 現金預金 | 貸付金 | - | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 決算で、貸付金について貸倒引当金を設けた | 貸倒引当金繰入 | 貸倒引当金 | - | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
貸付金の消費税区分
貸付金の利子を対価とする取引は消費税が非課税とされています。
税務上の注意
- 役員や使用人に無利息または低い利息で貸し付けると、国税庁の示す利率で計算した利息と実際に払う利息との差額が給与として課税されます。ただし、課税しなくてよい場合も定められています。 (根拠:金銭を貸し付けたとき(国税庁 No.2606・令和8年4月1日現在法令等))
- 役員や使用人への貸付けの利息相当額は、会社が他から借り入れて貸し付けた場合はその借入金の利率で計算します。それ以外の場合は、貸付けを行った日の属する年の利率で計算し、令和8年中の貸付けは1.3パーセントです。令和4年から令和7年中の貸付けは0.9パーセントです。 (根拠:金銭を貸し付けたとき(国税庁 No.2606・令和8年4月1日現在法令等))
- 災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要になった人への貸付けや、合理的な貸付利率を定めた貸付けは、給与として課税しなくてもよいとされています。これらに当たらない場合でも、利息の差額が1年間で5,000円以下なら課税しなくてもよいとされています。 (根拠:金銭を貸し付けたとき(国税庁 No.2606・令和8年4月1日現在法令等))
- 貸付金は、個別評価の対象になるものを除き、貸倒引当金の計算上は一括評価金銭債権に当たります。貸付金の未収利子で益金の額に算入されたものも含まれます。 (根拠:一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲(国税庁 No.5500・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 従業員に生活資金を貸した | 返済を受ける約束で金銭を渡したか | 貸付金 |
| 取引先に運転資金を貸した | 返済を受ける約束で金銭を渡したか | 貸付金 |
| 給料の前払をした | 将来精算される費用の前払として一時的に経理するか | 仮払金や立替金など |
| 取引先に敷金や保証金を差し入れた | 貸したお金ではなく、預けたお金か | 保証金や敷金など |
| 手付金や前渡金を支払った | 資産の取得の代価などに充てるために支出したか | 前渡金など |
| 貸付金の利息を受け取った | 貸付けの元本ではなく、利息の受取か | 受取利息 |
| 貸付金の利息のうち未収の分がある | 決算までに発生した利息で、まだ受け取っていないか | 未収利息 |
貸付金が関わる取引
関連する様式
- 別表十一(一) 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書
- 別表十一(一の二) 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書
- 勘定科目内訳明細書
- 別表四 所得の金額の計算に関する明細書
根拠
- 国税庁 No.6221 預金や貸付金の利子など(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6241 売掛債権とは別に請求する利子(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.2606 金銭を貸し付けたとき(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5500 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 会社計算規則 第74条(資産の部の区分)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.6201 非課税となる取引(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
判断が分かれるときは税理士に確認する
貸付金は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
※税理士紹介サービス(外部)へ移動します。当サイトは紹介料を受け取る場合があります(広告を含む)
掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
← 勘定科目DBのトップへ