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経費・落とせるもの

個人事業主の経費はどこまで?落とせるもの一覧と割合の目安を解説

中本 雄二 / 更新:2026-07-04
経費はどこまで落とせるのか。自宅の家賃やスマホ代、車のガソリン代まで、私的にも使うものをどう扱えばいいのか迷いますよね。結論から言うと、事業に必要な支出であれば上限なく経費にできます。判断の軸は「その支出が売上を生むために必要だったか」の一点です。
  • 経費とは事業に必要な支出のことで、金額の上限はない。
  • 私的にも使うもの(家賃・スマホ・車)は事業割合で按分して経費にする。
  • 経費率が高すぎると税務調査で説明を求められやすい。
  • 青色申告なら最大65万円の特別控除に加え、30万円未満の資産を一括経費にできる。
  • レシート・領収書は7年間の保存義務があり、電子取引はデータのまま残す。

個人事業主の経費はどこまで認められる?結論から解説

【あなたは大丈夫⁉︎】経費はどこまでOK?個人事業主が経費にできる線引きについて税理士が解説!
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個人事業主の経費は「事業に必要不可欠な支出」であれば、金額の上限なく計上できます。

私は自分の会社で節税を実務で回してきましたが、経費の線引きで一番大事なのはここです。売上との関連を自分の言葉で説明できるかどうか。

経費とは事業に必要な支出のこと

経費とは、事業の売上を得るために直接・間接に使ったお金のことです。仕入れ、通信費、交通費、消耗品などが典型です。

逆に言えば、事業と関係のない支出は1円も経費になりません。ここが判断のスタート地点です。

経費に上限はなく事業関連性で判断する

経費に「年間◯万円まで」といった上限はありません。事業に必要なら100万円の機材でも経費です。

ただし高額なものは減価償却といって、数年に分けて経費にするルールがあります。これは後で詳しく書きます。

経費の判断基準はただ一つ。「その支出は売上を生むために必要だったか」を自分で説明できるかどうかです。

経費として落とせるものの基本的な考え方

経費として落とせるものは、事業専用の支出と、私用と兼用の支出の2種類に分かれます。

事業専用なら全額。兼用なら使った割合分だけ。この「割合分だけ」が家事按分という考え方で、多くの人がつまずくところです。

個人事業主が経費にできるもの・できないもの一覧

経費にできるものは勘定科目ごとに整理でき、できないものは「事業と無関係な私的支出」と「税金の一部」が中心です。

まず全体像を一覧で押さえましょう。ここを頭に入れておくと、日々の記帳で迷いません。

経費にできる主な支出と勘定科目の一覧

経費にできる主な支出と勘定科目
勘定科目具体例ポイント
地代家賃事務所・店舗の家賃、自宅兼事務所の按分分私用部分は除く
水道光熱費電気・ガス・水道自宅兼用は按分
通信費スマホ・ネット・郵送料私用と兼用なら按分
旅費交通費電車・バス・タクシー・出張費私的移動は不可
消耗品費文具・10万円未満の備品10万円以上は資産計上
接待交際費取引先との飲食・手土産相手と目的の記録が必要
新聞図書費仕事に使う書籍・資料娯楽目的は不可
支払手数料振込手数料・決済手数料事業口座分のみ

経費にできないもの・私的な支出の例

経費にできないものは、事業と関係のない生活費や、そもそも経費として認められない税金です。

  • 自分や家族の食費・生活費(事業と無関係な分)
  • 所得税・住民税(事業に必要な税ではないため)
  • 国民健康保険料・国民年金(これは経費でなく所得控除で処理する)
  • 事業に使わないプライベートの旅行・買い物
  • 健康診断や人間ドックなど本人の医療費

正直に言うと、ここを甘く見て生活費を混ぜると税務調査で一番指摘されます。私の周りでも「家族の外食まで交際費にしていた」人が否認されました。

業種・職種別の経費の考え方(エンジニア・ライター・美容系など)

経費になるかどうかは業種で変わり、「その仕事に必要か」で判断が分かれます。

業種・職種別の経費の判断例
職種経費にしやすいもの注意が必要なもの
エンジニアPC・サーバー代・技術書・開発ツール利用料私用と兼用のネット回線は按分
ライター取材交通費・書籍・資料・カフェでの執筆日常のカフェ代は目的の記録が必須
デザイナーデザインソフト・素材購入費・タブレット私物との兼用機材は按分
美容系施術道具・材料・技術セミナー費自分用の化粧品は原則不可
建設系工具・作業着・現場までの車両費自宅兼用の車は走行記録で按分

作業着や工具のように「仕事以外で使わない」ものは全額いけます。逆に化粧品や普段着は、仕事に使うと言っても線引きが難しい。

自宅や車・スマホの経費はどこまで?家事按分の割合と計算方法

自宅・車・スマホなど私用と兼用する支出は、事業で使った割合だけを「家事按分」して経費にできます。

ここは競合記事でも意外と薄い部分です。私が実際にやっている計算手順まで具体的に書きます。

家賃・水道光熱費を事業割合で分ける手順

自宅兼事務所の家賃は、仕事に使っている面積の割合で按分するのが基本です。

例えば家賃10万円、部屋の総面積が50平米、仕事部屋が15平米なら、事業割合は30%。経費にできるのは月3万円です。

  • 面積で按分:仕事部屋の面積 ÷ 全体の面積 で割合を出す。
  • 時間で按分:1日のうち仕事に使う時間の割合で計算する(電気代など)。
  • 按分の根拠は間取り図やメモで残しておく。
按分の割合そのものより、「なぜその割合にしたか」を説明できる根拠資料(間取り図・使用時間のメモ)を残すことが税務調査対策になります。

スマホ・インターネット通信費の按分の考え方

スマホやネット代は、仕事で使う時間や用途の割合で按分します。

私の場合、仕事用と割り切れないスマホは事業割合を50%前後にしています。1日の使用時間のうち仕事が半分くらい、という実感が根拠です。

仕事専用の回線を1本契約すれば、それは全額経費。迷うくらいなら分けてしまうのが楽です。

車の維持費・ガソリン代の按分と根拠資料の残し方

車の維持費は、走行距離のうち事業で走った割合で按分するのが最も説明しやすい方法です。

年間1万キロ走って、うち事業が4,000キロなら事業割合40%。ガソリン代・車検代・保険料・自動車税をこの割合で経費にします。

根拠として運転日報や走行メモを残しておくと強い。正直、面倒ですが、否認されたときの追徴を思えば安いものです。

経費の割合はどこまでOK?相場と税務リスクの目安

【必見】経費ってどこまでOK?誰も教えてくれない経費について税理士が新しく解説します!
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経費率に法律上の上限はありませんが、売上に対して不自然に高いと税務署から説明を求められやすくなります。

「経費 割合」で検索する人が一番気にするのはここでしょう。数字の目安と、業種別の考え方を整理します。

経費率の目安と高すぎる場合のリスク

経費率とは、売上に占める経費の割合のことです。仕入れの多い物販は高く、労働中心の業種は低くなります。

重要なのは「同業と比べて突出していないか」。仕入れがほとんどないライター業で経費率80%だと、中身の説明を求められる可能性が高い。

経費率に絶対的な基準はありません。ただし赤字が何年も続く、同業より極端に高いといった状態は、調査の入り口になりやすいと考えておくべきです。

交際費・カフェ代・書籍・衣服が経費になる判断基準

交際費やカフェ代は「誰と・何の目的で」使ったかを記録できれば経費になります。

迷いやすい支出の判断基準
支出経費になる条件なりにくいケース
交際費取引先との打合せ・接待。相手名と目的を記録家族や友人との私的な飲食
カフェ代打合せや執筆など仕事の場として使用一人の休憩・日常の飲み物
書籍仕事の知識・資料として購入趣味や娯楽の本
衣服撮影用衣装・作業着など仕事専用普段も着られる私服

衣服は特に厳しい。スーツですら「私生活でも着られる」と否認されやすいです。作業着や制服のように用途が仕事に限られるものが安全圏です。

10万円・20万円・30万円の金額基準と減価償却の判断フロー

備品は取得額によって、一括で経費にできるか、数年かけて減価償却するかが変わります。

金額基準による経費計上の判断
取得価額処理方法備考
10万円未満全額をその年の経費(消耗品費)申告方法を問わず可
10万〜20万円未満一括償却資産として3年で均等償却も可白色でも使える
30万円未満青色申告なら一括で経費にできる特例年間合計300万円まで
30万円以上減価償却で耐用年数にわたり経費化資産計上が必要

青色申告の30万円未満一括経費(少額減価償却資産の特例)は本当に使えます。私はPCやカメラをこれで一気に落としています。

青色申告と白色申告での経費計上の違い

青色申告は白色申告より経費計上で有利で、特別控除・家族への給与・少額資産の特例が使えます。

経費を最大限活かしたいなら、青色申告は選ばない理由がほとんどありません。私も迷わず青色です。

青色申告特別控除と少額減価償却資産の特例

青色申告特別控除は、複式簿記で記帳し電子申告すれば最大65万円を所得から差し引ける制度です。

これは経費とは別枠の控除です。経費をきちんと計上したうえに、さらに65万円引ける。効果は大きい。

家族への支払い(専従者給与)を経費にする要件

生計を同じくする家族への給与は、青色申告なら「青色事業専従者給与」として全額を経費にできます。

  • 事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署へ提出する。
  • その家族が事業に専ら従事している(原則6か月超)。
  • 給与額が仕事内容に見合っている。

白色申告だと配偶者最大86万円などの上限があり、青色ほど自由が利きません。家族に手伝ってもらうなら青色一択です。

開業費を繰延資産として償却する方法

開業前に使ったお金は「開業費」として繰延資産に計上し、好きなタイミングで経費にできます。

開業準備の名刺代、セミナー代、備品などが対象です。任意償却なので、利益が出た年にまとめて経費化するのが賢い使い方です。

経費計上で失敗しないための証拠の残し方と注意点

経費を守る鍵は「支出の事実と事業関連性を証明できる書類を7年間残すこと」です。

経費計上で否認されるのは、金額が大きいからではなく証拠がないからです。ここを軽視すると痛い目を見ます。

レシート・領収書の保存とタイミングのルール

レシートは領収書の代わりとして使え、原則7年間の保存義務があります。

宛名のないレシートでも、日付・店名・金額・品目が分かれば証拠になります。むしろ品目が印字されるレシートの方が中身を説明しやすい。

電子取引の領収書はデータのまま保存する

メールやネットで受け取った電子取引の領収書は、紙に印刷せずデータのまま保存する義務があります。

これは電子帳簿保存法のルールです。PDFやスクリーンショットを、日付・取引先・金額で検索できる形で保管しておきましょう。

税務調査で経費が否認される具体例と対策

税務調査で否認される典型は「証拠がない」「事業関連性を説明できない」「私用との按分が不自然」の3つです。

  • 領収書はあるが誰と何のためか不明な交際費 → 相手名と目的をメモしておく。
  • 家賃を根拠なく80%按分 → 面積や使用時間の根拠を残す。
  • 高額備品を全額一括経費 → 減価償却のルールを確認する。
否認を防ぐ最強の武器は、支出の横に「何のために使ったか」を一言残す習慣です。レシート裏へのメモで十分。これだけで説得力が段違いです。

経費計上による節税効果と実務の進め方

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経費を正しく計上すると課税所得が減り、所得税・住民税・国民健康保険料のすべてが下がります。

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中本 雄二

会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用

中小企業の経営者。自分の会社で節税と補助金を実践してきた。税理士に任せきりにせず、制度を自分で調べて使う派。失敗や払いすぎた経験もあるからこそ、現実的な打ち手を語れる。

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