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決算対策で法人が使う節税16選|決算前・直前にやることを解説

中本 雄二 / 更新:2026-07-04
  • 決算対策の節税は、利益を確定させる決算日より前にしか打てない手が多い。
  • お金が出ていかない節税(未払費用・在庫評価・貸倒損失など)を先に検討すると資金繰りが痛まない。
  • 経営セーフティ共済は掛金全額を損金にでき、私も実際に活用している代表的な繰延型節税。
  • 繰延型(保険・共済)は解約時に益金が立つため、出口で使う予定とセットで入るのが鉄則。
  • 過度な節税は赤字化で融資の格付けを下げるため、利益を残す判断も節税戦略の一部。

決算対策の節税とは?結論と全体像をまず押さえる

【保存版】繰延節税で大幅に税金を減らす方法を初心者でも分かりやすく解説!
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決算対策の節税とは、決算日より前に費用計上や制度活用で課税所得を適正に圧縮し、払う法人税を減らす一連の打ち手のことです。

ポイントは「決算日を過ぎたら打てない手が多い」こと。だから決算直前ではなく、利益が見えてきた3ヶ月前から動くのが正解です。

決算対策・節税の意味と目的

節税は脱税とは違います。法律が認めた費用計上や特例を使って、税負担を正しく軽くする行為です。

目的はシンプルで、手元に残るお金を最大化すること。ただし利益を消しすぎると別の問題が出るので、そこは後半で正直に書きます。

決算前・決算直前にやることの全体像

決算前 節税 やることの全体像は、大きく「守備的な対策」「投資的な対策」「役員報酬・賞与・退職金」「福利厚生・未払計上」の4つに分けられます。

決算直前 節税 対策で間に合うのは、未払費用の計上や在庫・固定資産の処分など、契約や物の動きが決算日までに済むものです。

効果的な節税を検討する3つの要素

私が対策を選ぶとき、必ず次の3つを見ます。「お金が出ていくか」「将来また課税されないか(出口)」「実行に書類や手続きが要るか」。

節税額の大きさだけで選ぶと失敗します。同じ100万円の損金でも、キャッシュが出るか・出口で戻ってくるかで手元資金への影響はまるで違います。

決算前に検討すべき法人の節税対策16選

決算前に検討すべき法人の節税対策は、大きく4グループ・全16策に整理できます。

決算前に検討すべき法人の節税対策16選
No対策分類お金の流出
1消耗品・備品の購入守備/福利厚生あり
2修繕費の支出守備あり
3役員報酬の損金算入役員報酬あり
4不要な在庫・固定資産の処分守備小〜なし
5社宅制度の導入福利厚生あり
6退職金制度の導入退職金あり
7健康診断を福利厚生費にする福利厚生あり
8決算賞与の支給賞与あり
9会議費と交際費の区分明確化経費区分なし
10未払費用の計上未払計上なし
11赤字(欠損金)の繰り越し制度活用なし
12広告宣伝費の計上投資あり
13設備投資(経営強化税制・投資促進税制)投資あり
14企業型確定拠出年金の導入福利厚生あり
15経営セーフティ共済への加入守備/繰延あり(戻る)
16中退共(中小企業退職金共済)への加入退職金あり

会社を守る守備的な対策(在庫処分・共済・保険など)

守備的な対策は、会社を守り・維持しながら損金を作る手です。

抱えている不良在庫を処分すれば評価損や廃棄損を計上できます。貸倒損失、不要な固定資産の除却、含み損のある株式の売却や評価損の計上もここに入ります。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、掛金が全額損金になり、しかも解約すれば戻ってくる。私も加入していて、月20万円・年240万円まで、累計800万円まで積めます。

生命保険・損害保険や消耗品の買い替えも守備の一手ですが、保険は出口の益金計上が付いて回るので後述します。

将来に生きる投資的な対策(設備投資・賃上げ促進税制など)

投資的な対策は、お金を使うが将来の会社の力になる支出です。

事業に必要な設備投資は、中小企業経営強化税制や中小企業投資促進税制で即時償却や税額控除が使えます。適用には要件と期限があるので、購入前に確認してください。

賃上げ促進税制は、従業員の給与を増やした分の一定割合を税額控除できる制度で、2024年度に中小企業向けの控除率などが見直されています。給与を上げる予定があるなら必ず絡めたい。

固定資産の購入時に資産計上を細分化したり、少額減価償却資産の特例・一括償却資産の特例を使えば、初年度に落とせる額を増やせます。

役員報酬・決算賞与・退職金制度の活用

役員報酬は原則、期首から3ヶ月以内に決めた定期同額でないと損金にならない点に注意が必要です。決算直前に増やしても損金にできません。

従業員への決算賞与は、決算日までに支給額を各人に通知し、決算日後1ヶ月以内に支払うなどの要件を満たせば、未払いでも当期の損金にできます。

退職金制度や中退共への加入も損金化の王道。中退共は掛金が全額損金で、国の助成もあります。

福利厚生・未払費用・広告宣伝費の計上

福利厚生・未払費用・広告宣伝費は、決算直前でも比較的動かしやすい枠です。

健康診断や社宅制度は、要件を満たせば福利厚生費として損金にできます。全社員対象など「特定の人だけ得しない」ことが条件です。

未払費用の計上は、決算日までに債務が確定していれば当期の損金にできる、お金が出ていかない節税の代表格。社会保険料や地代家賃、外注費などが対象です。

会議費と交際費は境界が曖昧になりがちなので、区分を明確にしておくと否認されにくくなります。

決算何ヶ月前に何をする?時系列の実務ロードマップ

決算対策の節税は、3ヶ月前・直前1ヶ月・決算後の3段階で打つ手が決まります。

競合記事が意外と書いていないのがこの時系列です。私が毎期使っている段取りを表にしました。

決算3ヶ月前までにやること

決算前 節税 やることの中で、金額が大きく時間のかかるものは3ヶ月前までに動きます。

設備投資の発注、経営セーフティ共済の加入、賃上げの設計はここ。共済は申込から引落までにタイムラグがあるので、直前だと当期に間に合わないことがあります。

決算直前1ヶ月でできる対策

決算賞与の通知、未払費用の計上、不良在庫の廃棄、不要な固定資産の除却。物やお金の動きが決算日をまたがないように段取りします。

決算後・申告までの流れ

節税策は「やった」だけでは通りません。通知書・支払記録・議事録がそろって初めて損金として認められます。ここを飛ばすと税務調査で否認されます。

キャッシュアウトの有無で選ぶ節税と資金繰りへの影響

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節税は「お金が出ていくか」で分けて考えると、資金繰りを壊さずに選べます。

正直に言うと、節税額の大きさに目がいって手元資金を減らしすぎる失敗が一番多い。私も昔やりました。

お金が出ていく節税と出ていかない節税の違い

キャッシュアウトの有無で見る節税
区分代表例手元資金
出ていかない未払費用の計上、在庫評価損、貸倒損失、欠損金の繰越減らない
出ていく(消える)消耗品購入、決算賞与、広告宣伝費減る
出ていくが戻る経営セーフティ共済、中退共、一部の保険一旦減り出口で戻る

私の順番はこうです。まず出ていかない節税を全部使い切る。足りなければ戻ってくる共済系。最後に、本当に必要な支出だけ前倒しする。

繰延型節税(保険・共済)の出口戦略

繰延型の節税は「今の節税」ではなく「課税の先送り」です。解約時に受け取る額が益金になり、そのとき利益が出ていれば課税されます。

だから経営セーフティ共済も保険も、解約する年に大きな損金(退職金や赤字の穴埋め)をぶつける出口をセットで考えないと、税金の先送りにしかなりません。

「共済に入れば節税」で止めるのは危険。解約益をどの年に、何の損金で受けるかまで決めて初めて節税になります。

利益規模・成長ステージ別の選び方

利益が数百万円規模なら、まず未払計上や少額減価償却資産の特例など、お金の出ない手で十分なことが多い。

利益が大きく安定してきたら、共済・退職金制度・設備投資で腰を据えた対策へ。成長ステージが上がるほど、単発の費用より制度の活用が効いてきます。

やりすぎ注意!過度な節税のリスクと注意点

利益をゼロや赤字まで削る過度な節税は、税金は減っても融資と信用を確実に傷つけます。

ここは両論併記にしません。私の立場は「利益はある程度残して税金を払う」。そのほうが会社は強くなります。

銀行融資・信用格付けへの悪影響

銀行は決算書の利益と純資産を見て格付けします。節税で赤字にすると返済能力が低いと判断され、金利や借入枠に響きます。

設備投資が必要な会社ほど、ここは効いてきます。融資を受けたい期は、あえて利益を残す判断も立派な戦略です。

税務調査で否認されやすい対策の実例

否認されやすいのは、実態のない費用と要件を満たさない損金です。

否認リスクの高い節税とポイント
対策否認されやすい点対策
決算賞与通知・支払いの要件漏れ通知書と1ヶ月以内の支払記録を残す
役員報酬の期中増額定期同額でない期首3ヶ月以内に改定・議事録を残す
交際費との区分会議費に紛れた飲食日付・参加者・目的を記録
家族への給与勤務実態がない業務内容と勤務記録を残す

合法な節税と脱税の線引き

線引きは単純です。実態のある支出を法律どおり計上するのが節税、事実を偽るのが脱税。

来期の請求書を今期に付け替える、架空外注を計上する、これは節税ではなく脱税です。グレーに見える手は税理士に必ず確認してください。

法人と個人を一体で考えるトータル最適化の視点

法人税だけ下げても、役員個人の所得税や社会保険料が増えれば手取りは増えません。

オーナー社長は「会社+自分」の合計で最適化するのが正解です。

役員個人の所得税・住民税まで含めた最適化

役員報酬を上げれば法人の損金は増えますが、個人の所得税・住民税は累進で重くなります。報酬を上げる・据え置く・退職金で受けるのバランスが肝心です。

私は小規模企業共済も使っています。掛金が個人の所得控除になり、将来は退職所得扱いで受け取れる、社長個人の節税と老後資金づくりを兼ねられる制度です。

社会保険料・インボイス制度も含めた手取り視点

役員報酬は社会保険料の計算基礎にもなるので、報酬設計は保険料負担とセットで見ます。

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中本 雄二

会社経営者 ・ 節税・補助金を実務で運用 ・ セーフティ共済・小規模企業共済を活用

中小企業の経営者。自分の会社で節税と補助金を実践してきた。税理士に任せきりにせず、制度を自分で調べて使う派。失敗や払いすぎた経験もあるからこそ、現実的な打ち手を語れる。

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