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退職金とは
退職金とは
退職した役員や使用人に、退職したことに基因して支払う退職手当を入れる科目です。本来の退職手当のほか、功労金なども退職手当等に含まれます。役員に支給する退職金は、金額が相当と認められるものが損金の額に算入され、その時期は原則として退職金の額が確定した事業年度です。
区分:損益計算書の「販売費及び一般管理費」(会社計算規則第88条第1項第3号)
退職金の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 役員の退職金を株主総会の決議で確定し、所得税等を源泉徴収して支払った | 退職金(役員退職金) | 現金預金、預り金(源泉徴収税額) | 役員の業務に従事した期間、退職の事情、同業種同規模の法人の役員への支給状況などからみて相当と認められる金額が、損金算入の対象です。 | 不課税国税庁 No.6157 |
| 役員の退職金を株主総会の決議で確定したが、期末までに支払っていない | 退職金(役員退職金) | 未払金 | 株主総会の決議等で金額が具体的に確定した日の属する事業年度が、損金算入の原則的な時期です。 | 不課税国税庁 No.6157 |
| 退職金から預かった源泉所得税(復興特別所得税を含む)を納付した | 預り金 | 現金預金 | 原則として、退職手当等を支払った月の翌月の10日までに納めます。退職所得の受給に関する申告書の提出を受けていない場合は、支給額に20.42パーセントの税率を乗じて計算します。 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 使用人が役員に昇格したため、退職給与規程に基づき使用人であった期間の退職金を支給した | 退職金 | 現金預金 | 退職給与規程に基づき、使用人であった期間の退職金として計算した金額です。未払金に計上した場合は損金の額に算入されません。 | 不課税国税庁 No.6157 |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
退職金の消費税区分
退職金の支払いは、取引の内容を見て消費税の区分を判断します。
税務上の注意
- 役員の退職金を損金にする時期は、原則として退職金の額が株主総会の決議等で具体的に確定した事業年度です。ただし、実際に支払った事業年度に損金経理をした場合は、その事業年度に損金の額に算入することも認められます。 (根拠:役員の退職金の損金算入時期(国税庁 No.5208・令和8年4月1日現在法令等))
- 確定する前の事業年度に、取締役会で内定した金額を未払金に計上しても、その時点では損金に算入できません。 (根拠:役員の退職金の損金算入時期(国税庁 No.5208・令和8年4月1日現在法令等))
- 常勤役員から非常勤役員への変更などの分掌変更でも、地位や職務の内容が激変して実質的に退職したと同様の事情があれば、支給した金額を退職金として取り扱えます。給与がおおむね50パーセント以上減少した場合が例に挙げられていますが、変更後も経営上主要な地位を占めていると認められる場合は除かれます。 (根拠:使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金(国税庁 No.5203・令和8年4月1日現在法令等))
- 退職手当等を支払うときは、所得税および復興特別所得税を源泉徴収し、原則として翌月の10日までに納めます。功労金など、退職したことに基因して支払う給与も退職手当等に含めます。 (根拠:退職手当等に対する源泉徴収(国税庁 No.2732・令和8年4月1日現在法令等))
- 退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けていない場合は、支給額に20.42パーセントの税率を乗じた額を源泉徴収します。この場合は、受給者本人が確定申告で精算します。 (根拠:退職手当等に対する源泉徴収(国税庁 No.2732・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 役員に退職金を支給した | 株主総会の決議等で確定した日の属する事業年度が原則。実際に支払った事業年度に損金経理をした場合は、その事業年度でも認められる | 退職金など |
| 取締役会で内定した段階で、確定前に未払計上した | 確定する事業年度より前に未払金へ計上しても、その時点では損金に算入できない | 確定するまで損金算入できない。確定した事業年度に退職金など |
| 使用人が役員に昇格し、使用人であった期間の退職金を支給した | 退職給与規程に基づく金額を支給した事業年度に損金算入。未払金に計上した場合は損金に算入されない | 退職金など |
| 常勤役員が非常勤役員になった、取締役が監査役になった、役員給与がおおむね50パーセント以上減少した | 地位や職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情があるか。代表権がある場合や経営上主要な地位を占める場合は除かれる。未払金計上は原則として退職金の支給に含まれない | 退職金など(実質的に退職と同様の事情がある場合) |
| 使用人兼務役員が副社長や専務取締役などになり、使用人兼務役員であった期間の退職金を支給した | 原則として役員に対する退職金以外の給与。国税庁の資料にある要件をすべて満たす場合は、使用人としての退職金として取り扱われる | 原則は役員給与など |
| 個人事業当時からの使用人に、個人時代を含めて算定した退職金を支給した | 個人時代に対応する部分は法人の損金に算入されず、個人事業の最終年分の事業所得の必要経費になる。ただし、法人設立後相当の期間が経過した後の退職なら、支給額が法人の損金に算入される | 法人設立後相当の期間が経過した後の退職なら退職金など。それ以前は個人時代分を含めない |
| 退職金に功労金を上乗せして支給した | 退職したことに基因して支払う給与は、功労金などでも退職手当等に含めて源泉徴収する | 退職金など |
| 退職する人から退職所得の受給に関する申告書をもらっていない | 支給額に20.42パーセントの税率を乗じて源泉徴収し、受給者本人が確定申告で精算する | 預り金(源泉徴収分)など |
退職金が関わる取引
関連する様式
根拠
- 国税庁 No.5208 役員の退職金の損金算入時期(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5203 使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 会社計算規則 第88条(損益計算書等の区分)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
判断が分かれるときは税理士に確認する
退職金は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
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掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
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