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建物とは
建物とは
事業のために取得した建物の取得価額を入れる科目です。取得価額は原則として、購入代価に、引取運賃や購入手数料など購入のために要した費用と、事業の用に供するために直接要した費用を加えた合計額です。減価償却の対象になり、中古の建物は耐用年数の決め方に注意が要ります。
区分:貸借対照表の資産の部「固定資産」(会社計算規則第74条第1項第2号)
建物の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 事業用の建物を購入し、代金を預金から支払った | 建物 | 普通預金 | 購入代価に、購入のために要した費用と事業の用に供するために直接要した費用を加えた合計額 | 個別に確認土地付き建物なら土地部分は非課税 |
| 建物の取得に伴う登記のため、登録免許税を支払った | 租税公課 | 現金 | 登録免許税など登記のために要する費用は、取得価額に算入しないこともできる | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 決算で建物の減価償却費を計上した(直接法) | 減価償却費 | 建物 | 定額法の場合は、取得価額に定額法の償却率を掛けた金額が償却限度額 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 建物を借りるときに、不動産業者へ仲介手数料を支払った | 支払手数料 | 普通預金 | - | 課税国税庁 No.6157 |
| 建物を借りるときに、権利金を支払った(効果が支出日以後1年以上に及ぶ場合) | 繰延資産 | 普通預金 | 償却限度額は、繰延資産の額を償却期間の月数で割り、その事業年度の月数を掛けた金額 | 個別に確認土地部分や居住用の権利金は非課税 |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
建物の消費税区分
建物まわりの支払いは取引の内容によって区分が分かれるため、取引ごとに判断します。
税務上の注意
- 購入した建物の取得価額は、購入代価に加えて、事業の用に供するために直接要した費用も含めて計算するのが原則です。 (根拠:減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用(国税庁 No.5400・令和8年4月1日現在法令等))
- 不動産取得税や登録免許税などは、建物の取得に関連して支出した費用でも、取得価額に算入しないことができます。 (根拠:減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用(国税庁 No.5400・令和8年4月1日現在法令等))
- 中古の建物の耐用年数は、法定耐用年数ではなく、使用可能期間の見積り年数によることができます。見積りが困難な場合は簡便法がありますが、事業の用に供するための資本的支出が取得価額の50%を超えるときは使えません。 (根拠:中古資産の耐用年数(国税庁 No.5404・令和8年4月1日現在法令等))
- 中古資産の耐用年数の算定は、事業の用に供した事業年度に行う必要があります。その年度に行わなかった場合、後の事業年度で行うことはできません。 (根拠:中古資産の耐用年数(国税庁 No.5404・令和8年4月1日現在法令等))
- 借りた建物に行った造作は、同じ建物のものをまとめて一の資産として償却し、耐用年数も全体を総合して見積もります。 (根拠:他人の建物に対する造作の耐用年数(国税庁 No.5406・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 建物の購入代価、引取運賃、購入手数料 | 購入のために要した費用かどうか | 建物(取得価額に含める) |
| 建物を事業の用に供するための据付費や調整試運転費 | 事業の用に供するために直接要した費用かどうか | 建物(取得価額に含める) |
| 不動産取得税、登録免許税 | 取得価額に算入しないこともできる | 租税公課など、または建物の取得価額 |
| 建物を使い始めるまでの借入金の利子 | 使用開始までの期間に係る部分は、取得価額に算入しないこともできる | 支払利息など、または建物の取得価額 |
| 建物を借りるときの仲介手数料 | 不動産業者などに支払ったものは、支払った事業年度の損金にできる | 支払手数料など |
| 建物を借りるための権利金、立退料 | 支出の効果が支出日以後1年以上に及ぶか | 繰延資産 |
| 借りた建物への造作 | 造作した先が建物か建物附属設備かで耐用年数が変わる | 建物または建物附属設備など(同じ建物の造作は一の資産としてまとめて償却) |
| 中古の建物の取得 | 使用可能期間の見積りか、簡便法か | 建物(耐用年数は見積り年数または簡便法による年数) |
建物が関わる取引
- 不動産の仲介手数料の勘定科目は?賃借と購入で扱いが分かれる
- 原状回復費用の勘定科目は?修繕費か資本的支出かは中身で判断
- 内装工事費の勘定科目は?賃借建物の造作は建物附属設備など・修繕費との違い
- 測量・設計の報酬の勘定科目は?取得価額に入れるか・源泉徴収の要否で判断
関連する様式
- 別表十六(一) 旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
- 別表十六(二) 旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
- 別表十六(六) 繰延資産の償却額の計算に関する明細書
- C1-33 減価償却資産の償却方法の届出
根拠
- 国税庁 No.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5406 他人の建物に対する造作の耐用年数(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 会社計算規則 第74条(資産の部の区分)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
判断が分かれるときは税理士に確認する
建物は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
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掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
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