勘定科目DB|勘定科目
寄附金とは
寄附金とは
寄附金は、名義が寄附金・拠出金・見舞金のどれであっても、法人が行った金銭その他の資産または経済的利益の贈与や無償の供与を入れる科目です。社会事業団体や政治団体への拠金、神社の祭礼などの寄贈金のように、事業に直接関係ない者への金銭の贈与は、原則として寄附金として扱われます。ただし、広告宣伝費、交際費、接待費、福利厚生費とされるものは寄附金から除かれ、役員等が個人として負担すべき支出は給与になります。
区分:損益計算書の「販売費及び一般管理費」(会社計算規則第88条第1項第3号)
寄附金の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 社会事業団体に、対価のない寄附を現金で払った | 寄附金 | 現金 | - | 不課税国税庁 No.6157 |
| 物品を購入して寄附した(購入代金を支払った) | 寄附金 | 現金 | - | 個別に確認購入物が食品・酒類・商品券なら区分が変わる |
| 特定公益増進法人または認定NPO法人に、その法人の主たる目的の業務や特定非営利活動に係る事業に関連する寄附を、預金から振り込んだ | 寄附金 | 普通預金 | 損金に入れられる額は、一般の寄附金とは別枠の特別損金算入限度額の範囲内。超えた部分は一般の寄附金の限度額の範囲内で扱う。 | 不課税国税庁 No.6157 |
| 役員が個人として負担すべき寄附を、会社が代わりに支払った | 給与(役員給与など) | 現金 | - | 不課税国税庁 No.6157 |
| 事業に関係のある得意先への贈答のため、物品を購入した | 交際費 | 現金 | - | 個別に確認贈答品が酒類・食品・商品券なら区分が変わる |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
寄附金の消費税区分
既定の区分:不課税 対価のない金銭の寄附は、対価を得て行われる取引ではないため課税仕入れになりません。
税務上の注意
- 一般の寄附金は、限度額を超える部分が損金に入りません。普通法人などの限度額は、〔(期末の資本金の額と資本準備金の額の合計額)×当期の月数÷12×1,000分の2.5+所得の金額×100分の2.5〕×4分の1で計算します。 (根拠:寄附金の範囲と損金不算入額の計算(国税庁 No.5281・令和8年4月1日現在法令等))
- 特定公益増進法人への寄附金は、その法人の主たる目的の業務に関連するものについて、一般の寄附金とは別枠の特別損金算入限度額まで損金に入ります。適用を受けるには、確定申告書に別表十四(二)を添付し、その法人が証する書類などを保存します。 (根拠:特定公益増進法人に対する寄附金(国税庁 No.5283・令和8年4月1日現在法令等))
- 国外関連者への寄附金は、全額が損金に入りません。完全支配関係がある他の内国法人への寄附金も、受贈益に対応するものは全額が損金に入りません。 (根拠:寄附金の範囲と損金不算入額の計算(国税庁 No.5281・令和8年4月1日現在法令等))
- 寄附金として支出したものでも、役員等が個人として負担すべき性格のものは、その人への給与になり、寄附金から除かれます。給与として課税関係を確認してください。 (根拠:寄附金の範囲と損金不算入額の計算(国税庁 No.5281・令和8年4月1日現在法令等))
- 寄附金の額は、実際に支払ったときに支出があったものとして見ます。未払の寄附金や未決済の手形払は含まれず、仮払の寄附金は含まれます。 (根拠:寄附金の範囲と損金不算入額の計算(国税庁 No.5281・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 社会事業団体・政治団体への拠金 | 事業に直接関係のない者への金銭の贈与 | 寄附金(原則) |
| 神社の祭礼などの寄贈金 | 事業に直接関係のない者への金銭の贈与 | 寄附金(原則) |
| 得意先への接待・贈答 | 事業に関係のある者への接待、供応、慰安、贈答か。個々の実態を見て判定する | 交際費 |
| 事業に直接関係のある広告宣伝・見本品の費用 | 事業遂行と直接関係があると認められるか | 広告宣伝費など |
| 従業員のための支出 | 福利厚生費とされるものか | 福利厚生費 |
| 役員が個人として負担すべき寄附を会社が支払った | 役員等が個人として負担すべき性格の支出か | 給与(役員給与など) |
| 特定公益増進法人・認定NPO法人への寄附 | その法人の主たる目的の業務や特定非営利活動に係る事業に関連するか。一般の寄附金とは別枠で限度額を計算する | 寄附金 |
寄附金が関わる取引
- 自治会費・町内会費の勘定科目は?会費の性質と寄附金の区分で決める
- お中元・お歳暮の勘定科目は?取引先への贈答は交際費など
- 胡蝶蘭・祝い花の勘定科目は?取引先への贈り物は交際費など
- 出向者の給与負担金の勘定科目は?給料手当など、消費税は課税関係が生じない
- 開店祝い・移転祝いの勘定科目は?取引先への祝金は交際費など
- 取引先への見舞金の勘定科目は?交際費等か寄附金かは実態で判定
- 神社への初穂料・祈祷料の勘定科目は?寄附金か交際費かで分かれる
- 義援金・災害寄附の勘定科目は?寄附金など、支出先で損金の範囲が変わる
- 政治献金の勘定科目は?寄附金の扱いと損金算入の考え方
- 赤い羽根などの募金の勘定科目は?原則は寄附金。実態で判断し消費税は不課税
関連する様式
根拠
- 国税庁 No.6463 寄附金や交際費の取扱い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5281 寄附金の範囲と損金不算入額の計算(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5283 特定公益増進法人に対する寄附金(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 会社計算規則 第88条(損益計算書等の区分)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
判断が分かれるときは税理士に確認する
寄附金は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
※税理士紹介サービス(外部)へ移動します。当サイトは紹介料を受け取る場合があります(広告を含む)
掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
← 勘定科目DBのトップへ