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仮払消費税とは
仮払消費税とは
税抜経理方式を選んだ事業者が、課税仕入れに係る消費税等の額を、取引の対価と分けて経理するときに使う科目です。国税庁の資料では、課税仕入れに対する消費税等の額は仮払消費税等として経理するとされています。法人税・所得税では、仕入税額控除の適用を受ける課税仕入れ等の消費税額と地方消費税額の合計が仮払消費税等の額とされるため、適格請求書等の記載事項に基づく金額がない課税仕入れは、仮払消費税等にならない場合があります。税込経理方式では、この科目を使わず、消費税等を仕入金額や経費などに含めます。
区分:貸借対照表の資産の部「流動資産」(会社計算規則第74条第1項第1号)
仮払消費税の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 税抜経理方式で、標準税率の商品を掛けで仕入れたとき | 仕入/仮払消費税等 | 買掛金 | 国税庁の例では、税抜7,000円の仕入に消費税等700円で、買掛金は7,700円です。 | 課税国税庁 No.6157 |
| 決算で、仮受消費税等と仮払消費税等を差し引いて納付税額を出すとき | 仮受消費税等 | 仮払消費税等/未払消費税等 | 仮払消費税等の金額は、控除対象外消費税等に相当する金額を除いて差し引きます。 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 決算で、仮払消費税等のほうが多く、還付を受けることになるとき | 仮受消費税等/未収消費税等 | 仮払消費税等 | 仮払消費税等の金額は、控除対象外消費税等に相当する金額を除いて計算します。 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 資産に係るもの以外で、控除対象外消費税額等が生じたとき(損金に算入) | 控除対象外消費税額等として損金に算入する費用の科目 | 仮払消費税等 | 課税売上高が5億円超、または課税売上割合が95パーセント未満のときに生じます。交際費等に係る分は、交際費等の額に加算して損金不算入額を計算します。 | 個別に確認元の仕入や経費ごとの区分で決まる |
| 資産に係る控除対象外消費税額等が、損金経理できる場合に当たらず、資産計上するとき | 繰延消費税額等 | 仮払消費税等 | 課税売上割合が80パーセント以上、棚卸資産に係るもの、一の資産に係る額が20万円未満のいずれにも当たらない場合です。 | 個別に確認元の資産の取得内容ごとの区分で決まる |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
仮払消費税の消費税区分
仮払消費税等は課税仕入れの消費税等を分けて経理する科目で、支払いの区分は元の取引の内容で決まります。
| 場面 | 区分 | 根拠 |
|---|---|---|
| 標準税率10パーセントの商品を税抜経理方式で掛仕入れしたとき | 課税 | 国税庁 |
税務上の注意
- 資産に係るもの以外の控除対象外消費税額等は、法人税では全額がその事業年度の損金になります。ただし、交際費等に係る分は交際費等の額に加算して、損金不算入額を計算します。 (根拠:控除できなかった消費税額等(控除対象外消費税額等)の処理(国税庁 No.6921・令和8年4月1日現在法令等))
- 資産に係る控除対象外消費税額等は、一の資産に係る額が20万円未満の場合などは、損金経理をした金額を損金に算入します。 (根拠:控除できなかった消費税額等(控除対象外消費税額等)の処理(国税庁 No.6921・令和8年4月1日現在法令等))
- 上の場合に当たらない資産は、繰延消費税額等として資産計上します。60で除した額に事業年度の月数を乗じた範囲内で、損金経理をした金額を損金に算入します。資産を取得した事業年度は別の計算になります。 (根拠:控除できなかった消費税額等(控除対象外消費税額等)の処理(国税庁 No.6921・令和8年4月1日現在法令等))
- 税抜経理と税込経理を併用して、仮受消費税等から仮払消費税等を差し引いた金額と納付税額または還付税額に差額が出たときは、法人では益金の額に算入します。 (根拠:税抜経理と税込経理の併用と経理処理(国税庁 No.6913・令和8年4月1日現在法令等))
- 適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは、仮払消費税等として区分して経理していても、原則として取引の対価の額に含めて所得金額を計算します。経過措置の適用を受ける課税仕入れは別の扱いになります。 (根拠:税抜経理方式または税込経理方式による経理処理(国税庁 No.6375・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 税抜経理方式での課税仕入れ(適格請求書等の記載事項に基づく金額がある) | 税抜金額と消費税等の額を分けて経理する | 仕入や経費などの科目と、仮払消費税等 |
| 税込経理方式で経理している取引 | 消費税等は仕入金額や経費などに含めて経理する | 仮払消費税等は使わず、仕入や経費などの科目に含める |
| 適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れ | 適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がない。経過措置期間中は、一定割合を仮払消費税等とする扱いがある | 原則として、取引の対価の額に含める |
| 免税事業者の取引 | 税抜経理で経理していても、法人税の所得金額は税込経理方式で計算する | 仕入や経費などの科目に含めて計算する |
| 資産に係るもの以外の控除対象外消費税額等 | 課税売上高が5億円超、または課税売上割合が95パーセント未満で生じる | 全額を損金に算入する。交際費等に係る分は、交際費等の額に加算する |
| 資産に係る控除対象外消費税額等 | 課税売上割合80パーセント以上、棚卸資産に係るもの、一の資産に係る額が20万円未満のいずれかに当たるか | 当たれば損金経理をした金額を損金に算入する。当たらなければ繰延消費税額等として資産計上する |
| 決算での消費税等の納付税額・還付税額 | 仮受消費税等から、控除対象外消費税等を除いた仮払消費税等を差し引く | 納付は未払消費税等、還付は未収消費税等 |
仮払消費税が関わる取引
- Google Workspaceの利用料の勘定科目は?通信費などで処理。国外事業者は消費税に注意
- Adobe Creative Cloudの利用料の勘定科目は?年間と月額の違い
- 出張の宿泊費の勘定科目は?旅費交通費など、国内と海外で消費税の扱いが違う
- タクシー代の勘定科目は?旅費交通費など、領収書の保存と消費税
- 定期券の購入の勘定科目は?通勤定期の非課税限度額と消費税
- 新聞の購読料の勘定科目は?新聞図書費など、定期購読は軽減税率
- 派遣社員の料金の勘定科目は?派遣会社への支払いは外注費など
- 消費税の納付の勘定科目は?税抜経理と税込経理で科目が変わる
- 取引先との接待飲食費の勘定科目は?交際費など・10,000円の基準と記載事項
- ポイントを使って購入したときの勘定科目は?購入した物の科目と値引きの扱い
- 仕入れた商品の返品・値引きの勘定科目は?仕入高の減額など
- 輸入品の関税・輸入消費税の勘定科目は?取得価額への算入と控除の見方
- 期末の在庫(棚卸)の勘定科目は?棚卸資産など、含める費用と消費税の調整
- 税抜経理と税込経理の選び方の勘定科目は?仮受消費税・仮払消費税・租税公課など
- インボイスのない仕入れの勘定科目は?買った物の内容で決める
関連する様式
- 別表十六(十) 資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入に関する明細書
- 別表十五 交際費等の損金算入に関する明細書
- 別表四 所得の金額の計算に関する明細書
- 申告書第一表(一般用) 消費税及び地方消費税の申告書(一般用)
根拠
- 国税庁 No.6375 税抜経理方式または税込経理方式による経理処理(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6921 控除できなかった消費税額等(控除対象外消費税額等)の処理(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6913 税抜経理と税込経理の併用と経理処理(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 会社計算規則 第74条(資産の部の区分)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
判断が分かれるときは税理士に確認する
仮払消費税は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
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掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
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