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工具器具備品とは
工具器具備品とは
事業で使う工具・器具・備品のうち、減価償却資産として資産に計上するものを入れる科目です。国税庁の資料では、器具および備品は有形減価償却資産の例として挙げられています。金額が小さいものには、全額を損金経理する取扱い、一括償却、中小企業者等の特例があるため、取得価額によって処理が分かれます。
区分:貸借対照表の資産の部「固定資産」(会社計算規則第74条第1項第2号)
工具器具備品の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 備品を購入し、資産に計上する | 工具器具備品 | 現金預金など | 購入代価に、引取運賃・購入手数料などの購入のための費用と、据付費・調整試運転費など事業の用に供するために直接要した費用を加えた合計額。 | 課税国税庁 No.6157 |
| 取得価額が10万円未満の備品を購入し、事業の用に供した事業年度に全額を費用にする | 消耗品費など | 現金預金など | 取得価額が10万円未満。通常1単位として取引される単位ごとに判定する。 | 課税国税庁 No.6157 |
| 取得価額が20万円未満の備品を、一括償却資産として3年間で償却する(決算時) | 減価償却費など | 工具器具備品(または一括償却資産) | 取得価額が20万円未満のもの。各事業年度ごとに、その全部または一部を一括した取得価額の合計額を3年間で償却する。 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 中小企業者等が取得価額の小さい備品を購入し、取得価額の全額を損金経理する(少額減価償却資産の特例) | 消耗品費など | 現金預金など | 取得価額が40万円未満(令和8年4月1日以後に取得などをした資産の基準で、それ以前は30万円未満)。事業年度ごとの合計は300万円が限度で、事業年度が1年に満たない場合は月数で按分する。 | 課税国税庁 No.6157 |
| 決算で備品の減価償却を行う(定額法) | 減価償却費 | 工具器具備品(または減価償却累計額) | 定額法の償却限度額は、取得価額×定額法の償却率で計算する。 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
工具器具備品の消費税区分
備品の購入代金は取引の内容によって扱いが分かれうるため、既定は置かず、取引ごとに判断する。
税務上の注意
- 取得価額が10万円未満の少額の減価償却資産は、事業の用に供した事業年度に取得価額の全額を損金経理した場合に損金の額に算入できます。取得価額は、通常1単位として取引される単位ごとに判定します。 (根拠:少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(国税庁 No.5403・令和8年4月1日現在法令等))
- いったん資産に計上した備品を、後の事業年度に一時に損金経理しても損金の額に算入できないとされています。購入時に処理を決めておく必要があります。 (根拠:少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(国税庁 No.5403・令和8年4月1日現在法令等))
- 取得価額が20万円未満の減価償却資産は、一括償却資産の損金算入の規定を選択できます。貸付けの用に供したものなど、対象から除かれるものがあります。 (根拠:少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(国税庁 No.5403・令和8年4月1日現在法令等))
- 中小企業者等の少額減価償却資産の特例の基準額は40万円未満です。令和8年4月1日以後に取得などをした資産の基準で、それ以前は30万円未満でした。 (根拠:中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(国税庁 No.5408・令和8年4月1日現在法令等))
- 平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産は、耐用年数が過ぎた時に残存簿価1円まで償却できます。償却限度額は、定額法・定率法などの方法ごとに計算します。 (根拠:減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)(国税庁 No.5410・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 取得価額が10万円未満の備品 | 通常1単位として取引される単位ごとに判定する。事業の用に供した事業年度に全額を損金経理する。 | 消耗品費など |
| 応接セット | テーブルと椅子が通常1組で取引されるため、1組で10万円未満かどうかを判定する。 | 10万円未満なら消耗品費など、それ以上なら工具器具備品 |
| カーテン | 数枚が組み合わされて機能するため、部屋ごとの合計額で10万円未満かどうかを判定する。 | 10万円未満なら消耗品費など、それ以上なら工具器具備品 |
| 取得価額が20万円未満の備品 | 一括償却資産の損金算入を選択すると、取得価額の合計額を3年間で償却する。 | 工具器具備品(または一括償却資産) |
| 備品の据付費・運送費 | 購入代価に含まれる引取運賃などと、事業の用に供するために直接要した据付費などは取得価額に含める。 | 工具器具備品の取得価額に含める |
| 備品を買うための借入金の利子 | 使用を開始するまでの期間に係る部分は、取得価額に算入しないことができる。使用開始後の期間に係る部分は期間の経過に応じて損金に算入する。 | 支払利息など |
| 他人に貸し付ける備品 | 令和4年4月1日以後に取得などをして貸付けの用に供したもの(主要な事業として行われるものを除く)は、10万円未満の取扱いや特例の対象から除かれる。 | 工具器具備品として減価償却 |
工具器具備品が関わる取引
- 郵送料・宅配便代の勘定科目は?荷造運賃・通信費など、使い道で分ける
- エアコンの購入・設置の勘定科目は?設置費用の扱いと金額による違い
- 看板の制作・設置費用の勘定科目は?金額と使用期間で費用か資産かが分かれる
- ビジネスフォン・電話設備の勘定科目は?取得価額で変わる処理と工事費の扱い
- 警備会社の利用料(機械警備)の勘定科目は?月額料金・機器・工事費の分け方
- デスク・椅子の購入の勘定科目は?単位ごとの金額で処理が分かれる
- 応接セット・ソファーの購入の勘定科目は?1組の金額で科目が分かれる
- 冷蔵庫・電子レンジの購入の勘定科目は?10万円未満かどうかで分かれる
- タブレットの購入の勘定科目は?金額により消耗品費か工具器具備品など
- プリンターのインク・トナーの勘定科目は?消耗品費など/本体との区別
- 複合機の購入の勘定科目は?取得価額で処理が分かれる
- 文房具・コピー用紙の購入の勘定科目は?事務用品費・消耗品費など
- 制服・作業服の購入の勘定科目は?貸与か支給かと金額で分かれる
- モニター・ディスプレイの購入の勘定科目は?セット買いは取引の単位で判定
- 展示会の出展料の勘定科目は?広告宣伝費など、目的と支払時期で分かれる
- 期末の在庫(棚卸)の勘定科目は?棚卸資産など、含める費用と消費税の調整
- オンライン会議用の機材の勘定科目は?カメラ・マイクは1単位の金額で扱いが変わる
関連する様式
- 別表十六(一) 旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
- 別表十六(二) 旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
- 別表十六(八) 一括償却資産の損金算入に関する明細書
- C1-33 減価償却資産の償却方法の届出
- 別表十六(七) 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書
根拠
- 国税庁 No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 会社計算規則 第74条(資産の部の区分)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
判断が分かれるときは税理士に確認する
工具器具備品は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
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掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
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