勘定科目DB|勘定科目
減価償却費とは
減価償却費とは
建物、機械、器具備品、ソフトウエアなどの減価償却資産の取得価額を、使える期間にわたって各事業年度の費用として配分する金額を入れる科目です。法人税では、償却方法ごとに計算した償却限度額が、損金に認められる上限になります。償却方法の選定や変更、10万円未満や40万円未満の少額資産の扱い、中古資産の耐用年数が、特に迷いやすい点です。
区分:損益計算書の「販売費及び一般管理費」(会社計算規則第88条第1項第3号)
減価償却費の仕訳例
| 場面 | 借方 | 貸方 | 金額の条件 | 消費税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 決算で定額法により減価償却費を計上する | 減価償却費 | 減価償却累計額(資産から直接減らす経理もあります) | 損金に認められる上限は償却限度額です。定額法は、取得価額×定額法の償却率で計算します(償却率は耐用年数省令別表第八)。 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
| 取得価額が10万円未満の備品を買い、事業の用に供した事業年度に全額を損金経理する | 消耗品費など | 現金預金など | 取得価額10万円未満かどうかは、通常1単位として取引される単位ごとに判定します。 | 課税国税庁 No.6157 |
| 中小企業者等が、取得価額40万円未満の資産を買い、少額減価償却資産の特例を使って取得価額を損金経理する | 消耗品費など | 現金預金など | 1事業年度の取得価額の合計は300万円が限度です。40万円未満という基準は令和8年4月1日以後に取得などをした資産のもので、それ以前に取得などをした資産は30万円未満でした。 | 課税国税庁 No.6157 |
| 中古資産を買い、簡便法で求めた耐用年数で償却する | 減価償却費 | 減価償却累計額(資産から直接減らす経理もあります) | 例:法定耐用年数30年で経過年数10年の資産は、30年−10年+10年×20%=22年になります。 | 不課税国税庁 No.6209一般則 |
消費税区分は、国内の事業者への通常の支払いを前提にした国税庁の一般則による判定です。区分が決まらないものは「個別に確認」とし、何で決まるかを添えています。
減価償却費の消費税区分
既定の区分:不課税 減価償却費の計上は代金の支払いではなく、費用を期間に割り振る処理のため、消費税の課税の対象になりません。資産を買った取引の区分は、取得時に判断します。
税務上の注意
- 償却方法を変えるときは、原則として新しい方法を採用する事業年度の開始の日の前日までに変更承認申請書を出し、承認を受けます。今の方法を採用して3年を経過していない場合は、合併や分割に伴うものなど特別な理由がなければ、相当の期間を経過していないものとされます。 (根拠:減価償却資産の償却方法の変更手続(国税庁 No.5407・令和8年4月1日現在法令等))
- 平成19年4月1日以後に取得した資産の償却方法は、資産の種類ごとなどに選び、確定申告書の提出期限までに届出書を出します。届出をしないと法定償却方法になり、たとえば機械および装置は定率法になるので、定額法にしたい場合は届出が必要です。 (根拠:減価償却資産(平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備及び構築物を除く。)の償却方法の選定手続き(平成19年4月1日以後取得分)(国税庁 No.5409・令和8年4月1日現在法令等))
- 中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、取得価額が40万円未満の資産が対象です。令和8年4月1日以後に取得などをした資産の基準で、それ以前に取得などをした資産は30万円未満でした。 (根拠:中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(国税庁 No.5408・令和8年4月1日現在法令等))
- 少額の減価償却資産は、事業の用に供した事業年度に取得価額の全額を損金経理した場合に損金になります。いったん資産に計上したものを、後の事業年度に一時に費用処理しても損金にはなりません。 (根拠:少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(国税庁 No.5403・令和8年4月1日現在法令等))
- 中古資産の耐用年数の算定は、事業の用に供した事業年度にしかできません。その事業年度に算定しなかった場合、後の事業年度に算定することはできません。 (根拠:中古資産の耐用年数(国税庁 No.5404・令和8年4月1日現在法令等))
迷う取引の判定表
| 迷う取引 | 判定の観点 | 入れる科目 |
|---|---|---|
| 取得価額が10万円未満の備品 | 通常1単位で取引される単位ごとに判定する。事業の用に供した事業年度に全額を損金経理する | 消耗品費など |
| 取得価額が10万円以上20万円未満の備品 | 各事業年度ごとに、一括償却資産として3年で償却する規定を選ぶことができる。選ばなければ通常の減価償却になる | 器具備品など(資産に計上) |
| 中小企業者等が買った取得価額40万円未満の資産 | 青色申告書を提出する法人などの要件を満たし、1事業年度の合計が300万円までなら特例が使える。40万円未満は令和8年4月1日以後に取得などをした資産の基準で、それ以前は30万円未満 | 消耗品費など(特例を使わなければ資産に計上して減価償却費) |
| 使用可能期間が1年未満のもの | 法定耐用年数ではなく、業種での一般的な見方や平均的な使用状況から判断する | 消耗品費など |
| 中古資産の耐用年数 | 使用可能期間を見積もる。見積りが困難なら簡便法を使える。算定できるのは事業の用に供した事業年度だけ | 減価償却費 |
| 中古資産に取得価額の50%を超える資本的支出をした | 簡便法による耐用年数の算定はできない | 減価償却費(耐用年数は簡便法以外で決める) |
| 償却方法を変えたい | 新しい方法を採用する事業年度の開始の日の前日までに変更承認申請書を出して承認を受ける。今の方法の採用から3年を経過していないと原則承認されない | 減価償却費(変更は事前の承認が必要) |
減価償却費が関わる取引
- ホームページ制作費の勘定科目は?ソフトウェアか広告宣伝費かと金額基準
- ソフトウェアの購入の勘定科目は?資産計上と少額の特例
- 原状回復費用の勘定科目は?修繕費か資本的支出かは中身で判断
- 内装工事費の勘定科目は?賃借建物の造作は建物附属設備など・修繕費との違い
- LED照明への交換工事の勘定科目は?修繕費か資本的支出かの判定
- エアコンの購入・設置の勘定科目は?設置費用の扱いと金額による違い
- 社用車の購入の勘定科目は?新車・中古車の耐用年数と登録費用
- 中古車の購入の勘定科目は?車両運搬具などで計上し耐用年数と付随費用を確認
- 自動車のリース料の勘定科目は?契約の種類とメンテナンス料の分け方で変わる
- 看板の制作・設置費用の勘定科目は?金額と使用期間で費用か資産かが分かれる
- ビジネスフォン・電話設備の勘定科目は?取得価額で変わる処理と工事費の扱い
- インターネット回線の料金の勘定科目は?通信費など、工事費や前払いは扱いが分かれる
- デスク・椅子の購入の勘定科目は?単位ごとの金額で処理が分かれる
- 応接セット・ソファーの購入の勘定科目は?1組の金額で科目が分かれる
- タブレットの購入の勘定科目は?金額により消耗品費か工具器具備品など
- 複合機の購入の勘定科目は?取得価額で処理が分かれる
- 制服・作業服の購入の勘定科目は?貸与か支給かと金額で分かれる
- モニター・ディスプレイの購入の勘定科目は?セット買いは取引の単位で判定
- ECサイトの構築費の勘定科目は?ソフトウェアか広告宣伝費かは内容と金額で決まる
- アプリ開発の外注費の勘定科目は?ソフトウェアなど、取得価額で扱いが分かれる
- 商標登録の費用の勘定科目は?商標権の計上と登録免許税の扱い
- 特許の出願費用の勘定科目は?特許権・租税公課・源泉徴収の考え方
- オンライン会議用の機材の勘定科目は?カメラ・マイクは1単位の金額で扱いが変わる
関連する様式
- 別表十六(一) 旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
- 別表十六(二) 旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
- 別表十六(八) 一括償却資産の損金算入に関する明細書
- C1-33 減価償却資産の償却方法の届出
- 別表十六(七) 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書
根拠
- 国税庁 No.5407 減価償却資産の償却方法の変更手続(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5409 減価償却資産(平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備及び構築物を除く。)の償却方法の選定手続き(平成19年4月1日以後取得分)(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 国税庁 No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
- 会社計算規則 第88条(損益計算書等の区分)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-28)
- 国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例(令和8年4月1日現在法令等)(確認日 2026-10-29)
判断が分かれるときは税理士に確認する
減価償却費は、金額・使い方・相手によって科目や税務上の扱いが変わります。自社の場合にどうなるかを確かめたい方は、税理士に相談できます。
※税理士紹介サービス(外部)へ移動します。当サイトは紹介料を受け取る場合があります(広告を含む)
掲載内容は耐用年数省令・国税庁の通達とタックスアンサーにもとづく一般的な整理です。個別の資産がどの区分に当たるかは、構造・用途・使い方の事実で決まります。申告の前に、最新の法令と国税庁の資料を確認し、判断に迷うときは税理士または所轄の税務署にご相談ください。
← 勘定科目DBのトップへ